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遊戯王ARC-V 千変万化
第10話
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力で分からせなければならない。遊矢の、遊勝さんのデュエルと暴力のデュエルは正反対だってことを。

扉がノックされ、案内人が入ってくる。オレはデッキの調整を終え、マント羽織り、兜を被る。う〜む、歳をとって分かるが、これは恥ずかしいな。色んな意味で黒歴史だ。コレに加えてゴテゴテした籠手や脛当てを自腹で用意してたんだよな。スポンサーが付いていなかったから大会の賞金だけで家賃や食費をやりくりし、余った金は全部デッキ強化のためにカードを買い漁り、時には地下デュエルにまで手を出した。酷い生活を送っていたな。

そんなオレを救ってくれたのが遊勝さんで、二人で開いた遊勝塾。だけど、最初はオレは笑顔を取り戻せなかった。どうしても、『帝王』としてのデュエルが顔を出してしまう。だけどそんなオレに笑顔を取り戻してくれたのが遊矢と柚子の二人だ。例え血が繋がっていなくても(・・・・・・・・・・・)あの二人のお陰でオレは笑顔を取り戻せた。デュエルの本当の楽しさを、遊勝さんのような観客の反応に合わせて対話のように行うデュエルではなく、ただ楽しそうにモンスターを召喚して一緒に遊ぶ二人を見て、本来の楽しみ方を思い出せたんだ。だから、今度はオレが柚子に教えてやらなければならない。暴力はより強い暴力によって潰されるということを。

特別に用意してもらった見るからに魔王の愛機ですというゴテゴテの装飾を施してもらったDホイールに跨り、ウィリー走法でウィングを削りながら火花を飛び散らせて会場に入場する。洋子さんに習っておいてよかった。こういうのは威嚇が大事だからな。お陰で明らかに思いが行き過ぎていた柚子が唖然として素に戻っている。

「お父さん、何、その格好?」

「柚子、オレの、『帝王』の『征竜』を持ち出したのはまだ良い。だが、今のお前では遊矢の隣にも、それどころか守ってもらう資格すらない」

「なっ!?」

「遊矢は知っているが、お前には教えていなかったことを教えてやる。暴力はより強い暴力に潰される。見せてやろう、プロの、永代チャンピオン『帝王』のデュエルを!!一度だけチャンスをくれてやる!!このデュエルの間だけ、お前を娘だとは思わん!!」

『さあさあ、開始前の論戦は終了。親娘対決、勝つのはどちらか?それではフィールド魔法【クロス・オーバー・アクセル】セット、ライディングデュエル』

「「アクセラレーション!!」」

再びウィリーで火花を飛び散らせながら先行を柚子に渡してやる。手札を見て『帝』がオレに力を貸してくれるのを実感する。すまんな、これが最後のデュエルだ。それなのにお前達をコストにしか使ってやれない。柚子が『征竜』を回し、盤面を整えていく。その隙に、こっそりとアクションカードをDホイールに引っ掛けておく。柚子が長い長いターンを終わらせた結果がコレだ
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