第四十九話 受験の後でその十四
[8]前話 [2]次話
「お掃除もしておいたから」
「だからゆっくりしていいのに」
「ずっとテレビ観てゲームしても」
それでもというのだ。
「かえってだれてね」
「疲れるっていうのね」
「身体を動かす為にも」
つまりスポーツの様なものとも考えてというのだ。
「そうしたの」
「それでなのね」
「キッチンもそうしたから」
そちらもというのだ。
「おトイレもお風呂も」
「お家の殆ど?」
「そうしたの」
「やれやれね、けれどそれなら」
「それなら?」
「身体も動かせてそちらでもリラックス出来たわね」
「そういうことになるのね」
「まさかそこまでするとは思わなかったけれど」
優花の家事好き、主婦的な性格はよく知っている。このことは彼女が男だった頃からのことであるからだ。
「けれどね」
「それもなのね」
「よかったと思うわ、カロリーも消費しないとね」
「ストレス解消にならないわね」
「それに太るし」
優子は家に入りながら妹に話した。
「やっぱりね」
「太り過ぎは」
「言うまでもなく身体に悪いから」
「だからよね」
「身体を動かしてよかったと思うわ」
「そうなのね」
「じゃあ着替えたら」
自分の部屋に向かいつつだ、優子はあらためて話した。
「晩御飯作るわね」
「いよいよなのね」
「本当はグラタンは今から用意して」
「オープンで焼くつもりだったのね」
「そうだったの、それで焼いている間にサラダを作って」
「サラダも切っておいたから」
優花はここで思い出した様に言った。
「もうね、ドレッシングも用意して」
「お野菜を」
「そうしたから」
「本当に用意がいいわね」
「やっぱり暇だったから」
それでというのだ、掃除等と同じく。
「やったの」
「じゃあそちらも特に用意しないでいいわね」
「そうなるわね」
「グラタンをオープンに入れて」
「ステーキを焼いて」
「カツを切ってね」
「カツは買ってきたの」
優花は部屋に入ろうとする姉に問うた。
「そうしたの」
「そうよ、そうそう」
言われてだ、優子は思い出した。
「ステーキのお肉とカツは鞄の中だから」
「すぐに出さないと」
「この二つキッチンに置いて」
そしてというのだった。
「それからね」
「着替えるのね」
「そうするわね、ちょっと待っててね」
「ええ」
「キッチンに行くから」
こう言って実際にだ、優子はキッチンに行って肩から下げていた大きな黒いバッグからステーキ用の肉と豚カツを出した、そのうえで自分の部屋に入りなおして着替えてだ。優花がかなり仕込んでくれていた調理をはじめた。
第四十九話 完
2016・12・8
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ