第四百二十二話
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第四百二十二話 素直さに気付いて
梨花は夕食の後で母におやつの時に飲んだ牛乳の話をした。しかしその話を聞いているとだった。母はこう言った。
「それは気持ちが変わったからよ」
「気持ちが?」
「そう、梨花ちゃんのね」
こう娘に話すのだった。
「それでなのよ」
「それどういうことなの?」
「つまりあれこれ考えずにね」
そうしてというのだ。
「味を楽しんで美味しいって思って飲むからなの」
「それで前よりもなの」
「美味しいって思う様になったの」
「そうなの」
こう上の娘に話した。
「梨花ちゃんはね」
「あれこれ考えないでありのまま?」
「そう、ありのままにね」
まさにとだ、母は娘にさらに話した。
「素直に飲んだからよ」
「これまで以上に牛乳を美味しく感じたのね」
「そうだと思うわ、お母さんは」
「そうだったの」
「だからこれからもね」
母の言葉が変わった、今度の言葉はというと。
「ありのままで飲めばいいの」
「味を楽しんで」
「そうしてね」
「そうすれば美味しくなのね」
「飲めるわ」
「わかったわ」
利奈は母の言葉にあらためて頷いた。
「じゃあこれからはね」
「そうして飲むわね」
「もう栄養とかは考えないで」
それが豊富なことはわかっていてもだ。
「味を楽しんで飲んでいくわ」
「そうすると美味しいと思うわ」
「お薬みたいじゃなくて牛乳として飲むのね」
「そう、ありのままね」
「美味しいと思えば飲めるし」
梨花は自然と笑顔になっていた。
「それじゃあね」
「もう余計なことは考えないでね」
「飲めばいいわね」
「梨花ちゃんの場合はね」
「利奈もそうしてるし」
「姉妹で飲んでいけばいいわ」
栄養だの難しいことは考えずに純粋に味を楽しんで飲めばいい、母が梨花について言ったアドバイスはそうしたものだった。
第四百二十二話 完
2017・2・16
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