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オズのアン王女
第十幕その三

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「どんなものを食べてもお腹が痛くならないのよ」
「そこまで凄いのね」
「万能の霊薬でもあるから」
「それでなのね」
「海老やお蕎麦が駄目な人でも」
「食べても平気になるの」
「一ヶ月はね」
 その間はというのです。
「まさにね」
「それだけ凄いのね」
「味も別格だし」
「そうそう、だから私もなのよ」
「おじさんとおばさんの結婚記念日のプレゼントにしたのね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「美味しいだけじゃないから」
「そしてその林檎を」
「皆で一個ずつ食べるのよ」
 その林檎をというのです。
「いいわね」
「わかりました」
「ではまずはコースを食べましょう」
 こうしてでした、皆はです。
 まずはサラダやボルシチを順番よく食べました、それからいよいよデザートの黄金の林檎となった訳ですが。
 その林檎を食べてです、ジョージはびっくりしたお顔で言いました。
「これは」
「うん、凄いよ」
「こんな美味しい林檎はじめてだよ」
 神宝とカルロスも言います。
「蜂蜜よりも甘くて」
「すっきりとした酸味もあって」
「食べた後あっさりしてるわ」
「これだけ甘いのにしつこくないわ」
 ナターシャと恵梨香も言います。
「歯ざわりもしゃっきとしてて」
「それでいて硬過ぎなくて」
「想像していたよりもずっと美味しいよ」 
 また言ったジョージでした。
「これは本当に凄いよ」
「普通の林檎よりもね」
 アンも黄金の林檎を食べつつ言います。
「遥かに美味しいのよ」
「本当にそうなんですね」
「そう、そしてね」
 さらに言うのでした。
「これを食べたらね」
「凄く元気になるんですね」
「ええ、万能の霊薬でもあるから」
「それでなの」
「そう、普通の林檎も栄養の塊だけれど」
「黄金の林檎はですね」
「普通の林檎よりも遥かによ」
 それこそというのです。
「栄養があってね」
「一個食べただけで」
「物凄く元気になれるのよ」
「アレルギーも」
「一個食べたら」
 まさにそれだけでというのです。
「一ヶ月はどんなアレルギーもよ」
「意味がないんですね」
「そうなるの」
「そこまで凄いんですね」
「うん、この林檎は何時食べてもいいね」
 カリフ王も食べつつ言います。
「美味しいよ」
「そうでしょ」
「滅多に食べられないこともあって」
「余計になのね」
「いいね」
「稀少価値ね」
「それもあるよ」
 実際にとです、カリフ王は言うのでした。
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