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殺人鬼inIS学園
第二十二話:帰還
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んですけど、ね」

 ラシャの脳裏に、白銀の天使を思わせるISが思い起こさせる。手前勝手に襲い掛かってきて『助けてくれ』とのたまったふざけた輩だったが、何者だったのだろうか。
 だが、それ以上考えるのは不毛も良いところだ。自らはあの場所に居てはならぬ存在。それらに関しては無知を貫き通さねばならない状況下にある。ISにまつわる情報は軍事機密のベールに包まれているのが常である。山田先生が申し訳なさそうに頭を下げるのも仕様の無い状況だ。だとしても一介の用務員に態々こうして頭を下げる事自体稀な存在ではあるのだが。
 とかく、ラシャは通常通りの微笑みを浮かべた。

「まあ、とにかくお疲れ様です。色々と大変であったのは何となくわかります」

 ラシャはトマトを少しばかり収穫した。多少味が劣るとはいえ、採れたてと空腹に勝る調味料はない。

「どうです?手前味噌ですがお裾分けいたしますよ?」

 断られると思っていたが、思いの外好反応だった。疲労の色濃い山田先生の表情に花開くように笑顔が広がる。

「い、良いんですか!?ありがとうございます!!」

 食い気味に反応する山田先生に気圧されつつ、首肯で応じるラシャ。

「そ、それでは!私、先輩と報告書を書いてきますので待っていてくださいね!!すぐ向かいますので!!」

「あ、そうだ。ちふ……織斑先生もついでに……」

「絶対ですよ!!」

 ラシャの言葉は最後まで聞き届けられなかった。

「……アッハイ」

 ラシャはどうにか返事を絞り出したが、当の山田先生は既に職員室に駆け込んだ後だった。

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