111部分:第十話 小次郎と姫子その九
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れでも姫子は言った。
「こんな戦いは」
「例え俺達が引いても夜叉は引かない」
小次郎はまた言う。
「特にあいつ、飛鳥武蔵はな」
「飛鳥武蔵、あの傭兵の方ですね」
「そうさ、あいつだ」
小次郎の顔が険しいものになる。
「あいつは。特別なんだよ」
「特別ですか」
「強いなんてものじゃねえ」
そう姫子に述べる。
「それに。何か引くに引けない理由があるのかもな」
「引くに引けない理由?」
「ほら、夜叉はあれじゃねえか」
まずは夜叉について言及してきた。
「上杉家から頭領になった夜叉姫の下にいるだろ」
「はい」
「上杉家は代々夜叉の主」
これに関しては北条家と風魔の関係と全く同じである。
「血の絆だからその繋がり強いんだよ。俺達風魔と同じでな」
「けれどあの人は」
「そう、傭兵の筈なんだ」
ここまで話したうえで武蔵の話に戻る。
「それがどうしてな。あそこまで」
「傭兵は本来違うのですか」
「俺達風魔は傭兵は雇わない方針だからよくわからねえところはあるが」
「これは北条家も同じです」
北条家では風魔を使うということである。やはりのその主従関係は強い。
「ですから私も傭兵のことは」
「だから詳しいことはお互いわからねえけれど」
それでも小次郎は言ってみせた。
「傭兵はやばくなったら逃げる」
「逃げますか」
「それか報酬分働いたらな。それで終わりだ」
「あの武蔵という人は」
「もうかなり誠士館にいるんだろう?」
「そうみたいです」
こう小次郎に述べる。
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