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Fate/ExtraOrder タケル英雄伝
プロローグ
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言った事はちんぷんかんぷんで、理解する事は難しかったが、それだけは分かった。
 そしてカルデアには、そのサーヴァントを使役する事の出来る適性を持つ人間達が集まってきているのだと言う。
 だが、とタケルはそこで自分について考える。

「ではその、貴方は気付いたらあの場所に倒れていた、と言うんですね?」
「うん。それに、君の言うマスター適性者って奴じゃないと思う。俺は、ただの人間だから。それと、レイシフトって何なの?」
「そうですね、では最初から説明します。まず、カルデアについてはもう分かりますね?」

 勿論、とタケルは頷く。

「人類をより長く、より強く存続させる為に、魔術と科学を問わず研究者達が集った研究所にして観測所、だよね。その、魔術って言うのがイマイチ分からないけど」
「その通りです。そしてその研究の最たるモノが地球環境モデル『カルデアス』の開発です」

 またよく分からない単語が出てきたな……とタケルは眉を潜めながらも、少女の言葉を聞き漏らすまいと耳を傾ける。今、自分が置かれている状況を説明できるのは彼女だけなのだ。
 
「『カルデアス』って言うのは?」
「星に魂があると定義し、その魂を複写して作られた極小大の地球です。『カルデアス』に文明の光が灯っている限り、人類史は百年先の未来まで予想されています」
「つまり、人間のこれからを知る事が出来るんだ」
「はい。ですが突如、光が消滅し始めたんです。光が無くなるという事は……」
「未来、文明が途絶えたって事?」
「そういう事です。観測の結果、人類は二〇一六年十二月をもって絶滅する事が分かったのです」
「え!? えっと、聞いておくけど、まだ十二月じゃないよね?」
「勿論です。そうであったら、私達はもうこの場にはいません」
「そ、そっか。そうだよね、ごめん」

 思わぬ言葉に慌ててしまい、タケルは恥ずかしくて少女に話の続きを促す。

「情報を洗い出した結果、遂に新たな異変を観測しました。それが空間特異点『F』。西暦二〇〇四年、日本の地方都市に二〇一六年までの歴史には存在しなかった、観測できない領域が発見されたのです」
「観測できない、領域?」
「カルデアはこれを人類絶滅の原因と仮定し、レイシフト実験を国連に提案、承認されました」

 レイシフト、その単語がタケルの一番分からない言葉だ。その事について尋ねたかったが、少女の方から説明してくれるだろうと思い、口をつぐむ。

「レイシフトとは、人間を量子化させて過去に送り込み、事象に介入する行為、つまりタイムスリップの様なモノですね。これによって過去に転移し、未来消失の原因を究明、破壊する。と言うのが、今回『カルデア』が行おうとしている、レイシフトの概要です」
「凄いな……まるでSF映画、『バック
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