11部分:第一話 小次郎出陣その十一
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やばい!」
小次郎はそれを見て咄嗟に上に跳んだ。それでその青い水をかわした。水は遥か後ろの壁に当たった。するとその壁が青く凍り付き割れてしまった。
「なっ、コンクリートがかよ」
「これが霧氷剣」
また木刀を構えなおしながら言う。
「ただ。かわしたのは君がはじめてだ」
「それは嬉しいことで」
「しかしだ。この壬生攻介同じ間違いはしない」
再び攻撃に入ろうとしていた。
「今度は・・・・・・これならば!」
上にある配水管を突いた。そこから水蒸気を出す。
「!?水蒸気を」
「霧氷剣は水の技」
また構えに戻りながらの言葉だった。
「だからだ。受けよ!」
「くっ、また来たか!」
「今度は逃がさん!」
言いながら木刀を水蒸気を前にして右に左に振り回す。その度にあの青い水が今度は氷となって放たれ小次郎に迫るのだった。
氷達が小次郎に迫る。彼はそれを前にしてもまだ身構えている。しかし危機が迫ってきていることは誰よりも感じていた。
「まずいな。このままじゃよ」
その数と速さは彼の動きをしてもかわしきれないものだった。それを悟っていた。
悟りながらもどうすればいいのか判断がつきかねていた。どうすればいいのか。しかし決めなければならなかった。そうでなければ倒されるのは彼だった。
そしてここで。彼が出した答えは実に彼らしいものだった。
「うだうだ悩んでも仕方ねえ!」
叫びながら木刀を構えなおした。そして彼からも攻撃を出した。その技は。
「喰らえ風魔」
「むっ!?」
風魔と聞いて武蔵が声をあげた。
「風魔の技だと。ここでか」
「烈風剣!」
技の名前を叫びながら木刀を上から下に一閃させた。渾身の力で技を繰り出したのだった。
それは風だった。一陣の風を放つ。それは霧氷剣の青い氷を放ち打ち消す。まずはそれで危機を脱したのだった。
「何だと!?霧氷剣をか」
「危ないところだったぜ」
己の技を消され驚く壬生に対して告げた。
「しかしよ。俺にだって技があるんだ。だから!」
「くっ!」
「今度は俺の番だぜ!」
驚く壬生に一瞬の隙が生じた。そして小次郎はその隙を見逃さなかった。その姿を消したのだ。
「何処だ!?」
「ここだぜ!」
前から声がした。
「前だと」
「そうさ。受けな!」
小次郎が出た。既にその木刀を振りだしていた。
「これで・・・・・・俺の勝ちだ!」
「うぐっ!」
「壬生っ!」
武蔵も叫んだ。壬生もその木刀を出し守ろうとする。しかし間に合わない。小次郎の木刀は横に一閃された。それで壬生の腹を打ったのだった。
「ぬかった・・・・・・」
「それでも。やるもんだぜ」
木刀を一閃させた小次郎が前に倒れていく壬生の背を肩越しに見ながら言った。
「咄嗟に急所外し
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