第三話 生きるか死ぬかその一
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第三話 生きるか死ぬか
久志と英雄はそれぞれの武器である剣と刀を抜いた、そのうえで。
道にいたままのならず者達にだ、一歩踏み出してから言った。
「じゃあ今からな」
「御前達を倒して先に行かせてもらう」
ならず者達に二人で言った、相手の横には緑の木々、上には青空が見えるが今はそこに美しさも何も感じなかった。
「どっちにしろ殺すつもりだし」
「なら俺達もやる」
「へっ、ならいいさかかってきな」
「たった二人で何が出来るってんだ」
ならず者達は相手が二人と見て完全に舐めていた、それが言葉にも出ていた。
「こっちは十人、御前等はたった二人だぞ」
「しかもこっちは鎧着けてて弓矢もあるんだ」
「それで勝てるってのか?」
「馬鹿を言えよ」
「勝てる、いや勝つことは決まっている」
英雄はならず者達に鋭い声で答えた。
「最早な」
「この赤毛の奴は馬鹿だな」
「ああ、間違いないな」
ならず者達は英雄の言葉に彼等の間ではそう認識しせせら笑った。
「若いだけに世間知らずか」
「さっきたまたま矢をかわせて調子に乗ってるな」
「いるな、こういう奴」
「こういう奴こそ早死にするんだよ」
「言いたいことはそれだけだな」
英雄は刀を両手に構えて応えた。
「では行くぞ」
「今から殺してやるぜ」
「せめて苦しまずにしてやるな」
ならず者達はこう言ってだ、そしてだった。
剣も弓矢も構えようとする、しかし。
英雄の踏み込みは速かった、剣道の踏み込みでだ。
ならず者達に一気に迫ってだ、まずは。
一人の額を面打ちの要領で唐竹割にした、そのならず者は顔の半分まで断ち切られ頭から血と脳漿を出しながら最後の言葉を出した。
「えっ!?」
「まずは一人」
英雄はそのならず者が倒れるのを見もせずに言った。そしてさらに動いてだった。
弓矢を持っていたならず者の喉を横に一閃した、このならず者は首の半分を切られそこから血を噴き出して倒れた。
久志もだ、ならず者達が攻撃を仕掛ける前にだ。
素早く動いてだ、そのうえで。
両手で剣を持ち一人の胸を貫いた、貫くとすぐにだった。
ならず者の腹を蹴って後ろに倒し剣を抜いてだ、隣にいた者を袈裟斬りにした。ならず者達は忽ちのうちに六人になった。
瞬く間に四人を失いだ、彼等は狼狽を見せた。
「な、何だこいつ等」
「やけに強いぞ」
「もう四人殺しやがった」
「何なんだ」
「剣術ってのは覚悟ってな」
久志は先程まで見せた戸惑いを完全に消していた、そのうえで狼狽する彼等を見据えていた。
「一瞬でも躊躇したらそこを攻められるからな」
「剣道も同じだ、ではだ」
「ああ、あと六人」
「やるぞ」
戸惑う六人に向かってだ、
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