第百六話 光の魔法その三
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「気をつけて下さい」
「そういうことでね、それじゃあ」
「行くでござる」
「あくまで観るだけネ」
「それに徹するあるよ」
マルヤムさんだけでなくジューンさんと水蓮さんも乗り気だった、チェチーリアさんも表情を見ると行きたそうだった。
それで僕達は今度はプールに行った、とはいっても皆結局水着にならない。周りを観るだけに留めていた。
そのプールを観てだ、ジューンさんが言った。
「スーパーボール一杯浮かんでるね」
「キラキラしていて奇麗ある」
水蓮さんも言う。
「成程、スーパーボールを浮かべて」
「それで照らしているあるか」
「イルミネーションだけじゃなくてね」
僕はこの場でも二人に説明した。
「こうしたこともね」
「していル」
「そうあるな」
「うん、こうした工夫がね」
本当にだ。
「一つ一つ合わさって」
「今のハウステンボスがあル」
「そういうことあるな」
「プールもね」
夏に人気のこの場所もだ。
「最初はなかったらしいし」
「今じゃこんなに人がいるのニ」
「そうだったあるか」
「最初はオランダの街並みの再現からはじまって」
本当にそれからだった。
「徐々に色々なものが加えられていってね」
「今みたいになっタ」
「それがハウステンボスあるか」
「そう聞くと何カ」
「人間の世界の他の場所と同じあるな」
「ローマは一日にして成らずっていうけれど」
有名な言葉だ、イタリアからの留学生の子から直接言われた言葉だけれどイタリアの首都のあの街も二千年以上の歴史からああなった。
「ハウステンボスもだよ」
「この街も徐々に変わっていっタ」
「発展したあるな」
「長い時間をかけテ」
「こうなったあるか」
「さっきも言ったけれど危ない時期もあったし」
倒産寸前だったという、冗談抜きに。
「努力もしてね」
「今はこうしテ」
「夜も奇麗になったあるか」
「うん、何処かの通信関係の企業みたいにしていたら」
ネット関連の会社なのにパスワードを紛失して教えてくれと言ったら手紙を家に送るので二日か三日も待たされたと友達が怒っていた。
「すぐに潰れるよ」
「それネット企業?」
日菜子さんは僕の話に呆れた顔になって聞いてきた。
「それって」
「はい、そうですね」
「ネットってすぐに伝わるのがウリでしょ」
「それでもなんです」
「すぐに潰れるって」
「紛失したパスワードがわかるのに二日か三日、手紙で送られるまでわからないんです」
「その間は?」
どうなるかと僕に聞いてきた。
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