第7章 聖戦
第165話 虐殺の夜
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その瞬間、おいおい、誰が優柔不断なのですかね、などと言うツッコミが喉元にまで出かかったのは言うまでもない。更に当然、アンタがこき使ったからタバサが霊力不足で疲労して居ると思うのですが。……と言うツッコミもこの場ではなし。
まさかイザベラもダンダリオンのようにかまって欲しいからツッコミ待ちの言葉を発した訳ではないと思うので、純粋にそう感じたから、考えたから言葉として発したのでしょうが、其処に対してツッコミを入れたとしても時間が掛かるばかりであまり益はない。
今、急ぐ必要があるのは多少、疲労状態のタバサに休息を与える事。
但し、俺が公務に就いている状態では彼女が一人で休む事はあり得ないと思うので、休息を取るのなら、ふたり一緒でなければならない。
吸血衝動と言うのは基本的に飢餓感から発生する物なのだが、一概にそればかりが原因だと決まった訳でもない。月齢にも少なからず影響を受けるモノだし、何より感情に大きく影響を受けたはず。
おそらく、俺が消えてからのタバサは自分がしっかりしなければならない、と言う考えから少し自分の能力を超えた所で行動していたと思う。
前世でもそう言う所が強かった。今回の人生でもそう言う雰囲気を感じた時が結構あったように記憶している。
そして、今日俺が帰って来た事に因って、ほんの少しだけ気が緩んだ。そうすると、今までは気が張っていたから感じる事のなかった疲労を感じるようになって、本来の彼女ならこれからの時間帯の方が活動的になるのだが、その時間に何故か身体が休息を求めて来た。そう言う事だと思う。
言葉にして答えを返す必要はない。少し笑ってやればそれで十分。
そう考え、イザベラを見つめた瞬間、抱き上げられた蒼い少女の腕に力が加えられ――必然として二人の距離が縮まり、彼女の吐息が俺の首筋をくすぐった。
そして――
そして、自らの考えとはまったく違う、何故か苦笑めいた笑みを見せて仕舞う俺。そう、彼女の吐息を詰襟に守られたはずの首筋に感じた瞬間、ふたりの今の姿。白の詰襟姿の俺が黒のイブニングドレスのタバサをお姫様抱っこの状態。この姿を冷静になって考えて仕舞ったと言う事。これではまるで結婚式の余興でお色直しの際に新郎に抱き上げられて退場する新婦の姿じゃないのか。
そう考えて仕舞い、本来なら優しく微笑む心算が何故か自嘲に満ちた笑みに。
まぁ、イザベラを相手に爽やかなアイドル系の笑みを魅せなくちゃいけない訳はない。それに、ここで中座……おそらく今夜の内に戻って来る事は難しいとは思うが、中座するのなら、その前にイザベラにも――
「それで姉上」
頼んで置かなければならない事がある。
「何だい、お姉ちゃんが聞いて上げるから話してみな」
そう答えるイザベラ。もっとも、
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