第7章 聖戦
第165話 虐殺の夜
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。リュティスはその辺りから言うと完全に規格外の大都市、と言う事になる。
まぁ、そのすべてが城塞都市であるが故に、人口が増えたからと言って簡単に郊外へと向かって街を広げて行く事も出来ないので、これが限界だと言えるのかも知れないが。
成るほど、大体の事情は呑み込めた。
ガリアは周りをすべて敵に囲まれた状態。唯一、元トリステインの南部を押さえて居る、そう言う事か。
ただ、純粋に国力の点から言うと、トリステインの北半分を呑み込んだ所でゲルマニアが単独で今のガリアの敵には成り得ない。アルビオンやロマリアも同じ。まして、ガリアからの独立を一方的に宣言しただけのアルザスに何が出来る、……と鼻で笑う程度の国力しか持っていないのも事実。
おそらく、その国力の差を埋めるのがクトゥルフの邪神なのだろうが、奴らはゲルマニアやロマリアの人間サイドの目的など一切考慮する事がないと思うので、ガリアを圧倒出来る戦力をコチラにぶつけて来る事は考えられない。
名づけざられし者は未だしも、這い寄る混沌は多分、此方の戦力を見て、わざわざ拮抗出来るぐらいの戦力の逐次投入を行う。この程度の介入しか行わないでしょう。
何故ならば、その方が混乱した状況を維持させ易いから。せっかく、ここまで混乱した世界を作り上げたのに、これを簡単に終わらせて仕舞ってはもったいない。
ここはもう少し様子を見て……楽しもうじゃないか。そう考えて居る可能性が大きい。
奴の目的が単純に世界を滅ぼすだけならば、ハスターなり、ツァトゥグァなりを呼び出して暴れさせればアッと言う間にこの星など滅亡するはず。しかし、未だにそれを行わない以上、奴の目的は世界が混乱する事が目的であって、その結果がどうなろうと興味はない……と考えた方が正しいでしょう。
ならば――邪神が直接手を出して来る可能性は低く、人間の方は利に因って動いている公算が大きい……と考えると、ガリアの行動は一度に全部の敵を相手にするのではなく各個撃破が正しい――
――選択。そう考え掛けて、しかし未だ情報が足りない事に気付く俺。そして、もし今、考え掛けた答えを口にしていたのなら、またダンダリオンに怒られる未来が容易に想像出来て、少し自嘲の笑みを漏らして仕舞う。
そう、分からないのなら。情報不足なら、その情報を手に入れたら良い。その為の相手はここに幾らでも居る。
「それなら――」
アルザス侯シャルルは一体、どのような勝算があって……と聞こうとした瞬間、何かが右肩に優しく触れ、彼女の香りを少し強く感じた。
……って、え?
一瞬、俺の方にしな垂れかかり掛けたタバサが、しかし、直ぐに姿勢を正す。
但し、どう考えてもかなり眠たげな雰囲気。
確かに今回の人生の普段の彼女は妙に眠たげな雰囲気を発する事
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