第三話 本土からの使者
[13/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
助けたいのなら私も協力するし、あなたが艦娘を助けないのなら私は何もしないわ」
「……こういうとき、父さんならどうするかな………?」
「さあ?私はあなたの父親がどういう人なのかわからないから何とも言えないわ」
「……そうだよね」
「でも、何も迷うことなんてないんじゃないの?」
「!」
防空棲姫にそう言われた凰香はハッとした。
そうだ。艦娘を助けるのに何を迷うことがあるのか。かつて自分達を砲撃した榛名を凰香は迷うことなく助けた。そして佐世保第十三鎮守府の艦娘達を助けることも何ら変わりない。
(迷うなんて、私らしくない)
凰香はそう思うと、湯船に浸かっている防空棲姫に言った。
「……ありがとう防空姉。おかげで覚悟が決まったわ」
「あらそう。まあ、それは明日あいつに言いなさいな」
「うん、そうする。じゃあ、私は先に寝てるね」
「ええわかったわ。私はもうちょっとここでゆっくりしてから行くから」
「わかった」
凰香は頷くと、露天風呂から上がって脱衣所へと入る。そこで身体をタオルで拭き髪を乾かすと、服を着てから脱衣所を出る。そして凰香はかつてのここの提督の自室と思われる現寝室に戻ると、服を脱ぎ捨てて寝間着に着替える。そして三人は並んで寝れるほどの大きなベッドに潜り込み、すぐに眠りにつくのだった。
………
……
…
海原少将旧泊地に来て翌日、凰香は窓から射し込む日射しによって眼を覚ます。時計を見ると、時刻は8時を指していた。防空棲姫と時雨はすでに起きているのか、ベッドの上には凰香以外誰もいなかった。
(起こしてくれればいいのに……)
凰香はそう思いながら起き上がると寝間着を脱ぎ捨て、いつもの服と籠手を身につける。着替え終えると凰香は寝室を出て朝食を食べるために食堂へと向かった。
そして食堂にたどり着くと、そこにはすでに防空棲姫、時雨、榛名、夕立、海原少将、そしてその秘書艦である比叡が集まっていた。
「おや、遅い起床だな」
「私は軍人なんかじゃないんだけど」
凰香はそう言うと、海原少将の前の席に座る。すると本日の朝食の係である榛名と夕立が白いごはんと味噌汁、焼き塩鯖を人数分運んできて凰香達の前に置いていく。
そして運び終えた榛名と夕立が席に着いたとき、凰香は海原少将を見て言った。
「……海原少将、昨日の話だけどあの鎮守府に行くことにするわ」
凰香がそう言った瞬間、防空棲姫を除いたこの場にいる全員が驚いた表情を凰香に向ける。そして海原少将が嬉しそうに言った。
「そうか!あの鎮守府の提督になってくれるのだな!」
「いいえ、提督にはならないわ」
凰香がそう言
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ