第54話『リザルト』
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「でも、面倒くさいとか言ってられないよな」
「ああ。お前が責任を持たないといけねぇし」
「あれ、若干冷たい!?」
「いや気のせい」
話が終わり、スタスタと去る伸太郎。
何だろう。だいぶ仲良くなったと思ってたけど、イマイチ掴めない所が有るな。今後の課題だ。
*
「結局は部長も暁君も信じてくれたな。アドバイスまで貰えたし・・・ありがたい限りだ」
クラスをそそくさと抜け、一人で帰路についている晴登。
無論、ユヅキの様子を確認するために早く帰っているに過ぎない。
どうしようかと、何だかんだと考えながら帰ってきた結果、実はもう我が家に着いていたりする。
「何かややこしい事になってませんように。ただいま」ガチャッ
ドアを開けると、目に映るのはいつもの玄関。異常はない。靴が異様に増えているとかは無いようだ。
靴を脱ぎ、晴登は二階の自室に向かう。
学校に居た8時間余りは放置していたことになるが、さすがに言いつけは守ってくれているだろうと信じるぞ。
「ユヅキ、ただいま」
「…あ、おかえりハルト」
「おかえり、お兄ちゃん」
よし、ちゃんと部屋に居てくれていた。良かった良かった・・・
「いや良くねぇよ!? 何で智乃がここに居るの?!」
ユヅキの選択が終わるまで、彼女を誰とも会わせないようにしようと考えていたのだが、呆気なく頓挫してしまった。
相手はまさかの、妹の智乃。そりゃ小学生が中学生より帰りが早いというのは当たり前だ。それを計算に入れなかった晴登が悪い。
「どう弁明すれば……?」
兄の部屋に謎の少女。例え小学生の知能でも、疑いたくはなる事象だ。
「チノはハルトの妹なんでしょ? 全然平気だよ」
「そういう問題じゃなくて・・・というか、自己紹介済んでるのかよ…」
晴登は事態の深刻さに嘆息。
・・・いや待て。自己紹介で、ユヅキは自分のことを何と言ったのだろうか?
「おい、ユヅキ!」テマネキ
「なーに?」スタスタ
部屋の端っこにユヅキを呼び出す。そして二人はコソコソと、傍から見れば怪しい会話を始めた。
問うのはもちろん、先ほどの疑問。
「そこのところはどうなんだ?」
「心配しなくても、異世界から来た、だなんて言ってないよ」
「そ、そうか・・・って、ん? じゃあ、何て紹介したの?」
ユヅキが本当の事を話していないというのは理解した。
しかし、何と言って智乃を騙しているのだろうか?
「え、そりゃあ、ハルトの許嫁・・・」
「待て待て待て待て!!!
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