暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第54話『リザルト』
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連れてこられたことが不満なのかもしれない。


「悪いなユヅキ、こんな目に遭わせて……」

「…! いや、ハルトのせいじゃないよ! それにボクとしては、ハルトにまた会えて嬉しい…かな」

「…っ!!」


ユヅキの言葉に頬を赤らめてしまう晴登。さすがにそこまで直球だと、照れるというか恥ずかしい。
良く想われてることに不満は無いのだが、意識するとどうにも口が回らなくなってしまう。だからいつも、あまり意識しないようにしていた。


「でも今回のは、かなり意味がデカいぞ…」


ユヅキは住んでいた異世界を離れ、何も知らないこっちの世界に足を踏み入れてしまったのだ。晴登以外、知り合いがいない。もはやそれは、異世界行きたての晴登そのまんまだ。心細い気持ちは痛いほど理解できる。
だからこそ、ユヅキにお世話になった分、面倒を見て、そして異世界へ戻す方法を探さなければならない。


「そうだ、夢渡石!」ゴソゴソ


晴登は枕の下を漁ってみる。すると、この前見たときと寸分も違わない、夢渡石が出てきた。


「……使いきりじゃなかったのか」


てっきり一回きりしか異世界ツアーできないと考えていたから、あれほど辛い別れをしたというのに何て日だ。
でもよくよく考えると、使いきりなら部長が晴登に渡すはずがない。第一、多額の部費を貢いで買っているのだ。これで使いきりだなんて言えば、副部長の鉄槌が部長に下りそうである。


「じゃあ、これでユヅキともう一度寝れば、異世界に一緒に行けるはずだ。さすがにあんなに濃い三日間はもう勘弁だけど…。でも、アレだな。それができるのは早くて今日の夜だ。学校サボる訳にもいかないし。とすると、ユヅキを一日家で放置することになるのか。まぁ何処にも行かなきゃ、危ない目には遭わないだろうし、大丈夫とは思うけど・・・」

「おーい、ハルトー」


ユヅキをそっちのけに晴登は考え込む。しかし、大事な事ではあるのだ。学校に行くのは、部長の意見を仰ぎたいという理由もある。

しかし、本当にこの案で良いのだろうか。家から出ないということにしても、別の世界で独りはさすがに酷かもしれない。
そうだ、例えば宅急便とか来たらこうした方が良いとか先に教えておいた方がいいか?
いや、そもそもにご飯とかが問題だろう。口に合うかわからないし、そもそもどれが食べられるのかが判断できないはずだ。これも今の内に教えておいた方が・・・



「とりゃ」

「痛っ!? 何でデコピン、ユヅキ!?」

「さっきから何考えてるか知らないけど、ボクなら大丈夫だよ? それより、ハルトはやることがあるんじゃないの?」

「!!」


そうだ。そういえば、まだベッドから出てすらいない。これでは
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