第四十九話 受験の後でその二
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「ゆっくり休んで」
「明日一日もね」
「そうすべきなのね」
「御飯は姉さんが作るから」
「ステーキと豚カツね」
「そうよ」
優子はにこりと笑って答えた。
「テキにカツよ」
「つまり敵に勝つ」
「受験という敵にね」
「そういうことね」
「そもそもお肉自体が食べると力がつくから」
「いいのね」
「そう、他にも栄養のあるもの作るから」
だからだとだ、優子は優花にさらに話した。
「楽しみにしておいてね」
「力がつくものを」
「そうしてテストに挑んでね」
「そうするわね」
「龍馬君も受けるから」
同じ八条大学の入試をというのだ。
「頑張ってね」
「龍馬は経済学部よね」
「そうよ、あちらよ」
「私は文学部で」
「学部は違うけれどね」
「同じ大学ね」
優花はこのことは微笑んで言った。
「龍馬と。二人共合格したら」
「そうよ、また一緒になれるわね」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「大学は学部が違うとかなりね」
「同じ大学でもなの」
「別々になるから」
だからだとだ、優子は優花にこのことも話したのだった。
「そのこともわかっておいてね」
「学部の関係が大きいのね」
「そうよ、同じ大学でも学部が違うと偏差値も違うわね」
「そういえば」
「教えている人達も違うから」
つまり教授達もというのだ。
「もう別の学校になるのよ」
「学部は違うと」
「そう、本当にね」
「じゃあ私と龍馬も」
「同じ大学に通えてもね」
「別の学校ってこともなのね」
「あるから。そのこともわかっておいてね」
こう話したのだった。
「いいわね」
「ええ、わかったわ」
優花はこのことは実感が湧かないまま姉に答えた、大学のことはまだ入っていないのでよく知らないからである。
「頭に入れておくわ」
「そうしてね、じゃあ待っているわね」
「今から行くわね」
その神戸にとだ、こう言ってだ。
優花は八条鉄道の電車に乗ってまずは福岡まで出てだった、そこから大阪行きの電車にまで乗って神戸に向かった。
山口に入ったところでだ、優花は隣の席に座っている二十代前半位のサングラスをかけた黒髪を長く伸ばした女の人に声をかけられた。見ればジーンズを粋に穿いている、ラフだがスタイルのよさが目立つ。
「ねえ、君」
「私ですか」
「ええ、そうよ」
優花に微笑んで言ってきた。
「君に声をかけたの」
「私に何か」
「随分可愛いけれどタレントさん?」
こう聞いてきたのだった。
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