暁 〜小説投稿サイト〜
オズのアン王女
第九幕その十二

[8]前話 [2]次話
「是非共」
「それじゃあ」
「その時を楽しみにしている」
「さて、皆もう全部食べたわね」
 アンがこう言った時にはです、もうお刺身も天麩羅もお味噌汁もなくなっていました。サラダと御飯もです。
「ではデザートにしましょう」
「果物ですね」
「そうよ」
 言いながらです、アンはその手に好物の林檎を手に取りました。
「食べましょう」
「わかりました」
「皆好きな果物を食べてね」
「ふむ、では余もだ」
 カリフ王もでした。
「無花果にするか」
「それなのね」
「うむ、最初はな」
 実際に無花果を手に取って言うのでした。
「それにしよう」
「無花果もいいのよね」
「アン王女は果物は全て好きだな」
「お野菜もね、それでね」
「その中でもだな」
「特に林檎が好きなの」
 何といってもというのです。
「やっぱりね」
「そうだな」
「だから毎食後食べてるのよ」
 そこまで好きだというのです。
「本当にね」
「林檎を食べねば終わらない」
「そうした感じよ」
 アンの場合はというのです。
「それで林檎の中でもね」
「特に好きな種類はか」
「黄金の林檎よ」
 それになるというのです。
「あれが一番美味しいから」
「しかも一個食べると元気が出てな」
「もう仕方なくなるから」 
 そこまで凄いからだというのです。
「一番好きよ」
「前にも言っていたな」
「ええ、ただあまりね」
「食べないな」
「うちの特産品だけれど」
 それでもというのです。
「何しろ数が少ないから」
「だからだね」
「ええ、そうなの」
「成程な」
「滅多にないものだから」
「それだけに価値もある」
「そうでもあるのよ」
 黄金の林檎はというのです。
「オズの国でも実るのはね」
「この国だけでか」
「この国でも稀少なものよ」
「わかった、そのこともな」
「そしてこの国では国賓の人達にはね」
 にこりと笑ってです、アンはカリフ王にこうも言いました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ