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オズのアン王女
第九幕その十一

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「築いたのだ」
「ノームの人達が」
「そうなのだ」
「そちらになりますか」
「うむ、ないのなら造り上げる」
「フロンティア=スピリッツですね」
「それを我々も持っているのだ」
 だからこそというのです。
「我々も築いたのだ」
「何もない場所に」
「住む場所、田畑に牧場にグラウンドにプールをな」
「何でもですか」
「そうしたのだ」
 まさにゼロからです。
「オズの国も最初は何もなかっただろうしな」
「最初は本当にです」
 大尉が答えました、カリフ王の今の言葉に。
「家も人もまばらで大昔はです」
「何もなかったな」
「そうした状況でした」
 まさにというのです。
「多分ドロシー王女が最初に来られた時も」
「そうそう、今よりもずっとよ」
「人も少なかったよ」
 ドロシーだけでなくトトも答えました。
「村も少なくて」
「ものもなくてね」
「あの時から何の不自由もなかったけれど」
「今とは全然違ったよ」
「テレビも携帯もなくて」
「飛行船なんてものもね」
「そうです、ヘリコプターなんてものもです」
 それこそとです、大尉はさらにお話しました。
「なかったですからね」
「最初は何もないものだ」
 カリフ王はしみじみとした口調になっていました。
「しかしその何もないところにだ」
「築いて造っていくんですね」
「そうしたものだ」
 まさにというのです。
「オズの国も然りだ」
「人が自分達の手で、ですね」
「そうしていくものだ、そしてノームの国もだよ」
「そうなっているんですね」
「今度また築こう」
「何をですか?」
「劇場をだ」
 今度築くのはそれだというのです。
「舞台も楽しんでいるからな」
「そちらもですか」
「楽しむ為にな」
「スポーツだけじゃないんですね」
「我々も色々楽しんでいるのだよ」
「音楽も劇もですね」
「そうなのだよ、だからこそ」
 その劇を楽しむ為にというのです。
「劇場も築く」
「そうされますか」
「君達が我々の国に来れば」
「その時はですね」
「劇場も楽しんでくれ給え」
「そうさせてもらっていいですか」
「遠慮は無用だよ」
 カリフ王はジョージに微笑んで答えました。
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