嵐の予感
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だ。その話を聞いて一夏は意地悪そうな笑みを浮かべてセシリアの方を見た。
「主席を取るのが難しくなったかもな」
「ふふふそうですわね、しかし私は負けませんわ。今の私は慢心を捨てたのですから」
凛々しく構えて腰に手を当てて答える、確かに今の彼女なら並大抵の困難ではへこたれないだろう。そんなセシリアにのほほんさんも拍手を送り一夏もそれに同調する、ミカは貴族というのはポーズを取らないといけないのかと間違った理解をしてしまった。
「―――その情報古いよ」
ミカがそんな理解をした時、声が1組内に響く。声の元を辿ると教室の後方の入り口で一人の少女が仁王立ちしていた、小柄で茶髪の長い髪のツインテール、元気な印象を受ける少女、彼女が先程の声を発した。
「2組も専用機を持った私、鳳 鈴音がいるんだから。そう簡単に優勝を譲る気は無いから、クラス代表戦は二組がいただくわ」
「鈴…?お前、あの鈴か?」
「中国国家代表候補生、凰 鈴音。宣戦布告に参上したわ、久しぶりね百春」
鈴と名乗る少女はどうやら百春の関係者らしい。
「本当に久しぶり……っていうか似合わないよそのカッコ付け、まさかカッコいいと思ってやってる?」
「否別にそんなつもりでやったんじゃないんだけど……っというか昔なじみのアンタがいるっていうから挨拶に来て何でこんな事言われなきゃいけないのよ!?出オチして滑った芸人みたいになってんじゃないのよ!!」
「まあ昔から芸人だったからいいじゃん」
「何処がよ!?私のどこら辺に芸人要素あったのよ!?」
「全体的に」
「抽象的すぎるわよ!!」
いきなり名乗ったかと思ったら始まったのは漫才のような言葉のキャッチボール、周囲の女子達は状況を飲み込めずに顔を見つめ合わせている。
「ったくなんでこうまで言われなきゃいけないのよ」
「否だって……」
「もういいわ、私もう教室戻るわ」
怒り疲れたのか鈴はそのままひらひらと手を振って去ろうとするが百春はそれを止めた、鈴はなんで止めるのよと言うが一夏という名を聞いた時驚いたような顔をする。
「ア、アンタ何言ってんのよ……?だ、だって一夏は……」
「だってホラッ!!」
百春は一夏の方を指さした、鈴はその方向を見ると一瞬目を見開くが直ぐに目をパチクリさせながらゆっくりと一夏へと近づいていく。
「ほら鈴なら解るだろ!?一夏兄だって!!?」
「……ハァ」
昔なじみで自分と同じように一夏と過ごした鈴ならきっと理解してくれる、解ってくれる。そして未来 一夏は織斑 一夏だと言ってくれると信じていた。だって鈴は一夏を慕っていた、きっと……と信じていたのに鈴の口から洩れたのはまるで心底呆れたような溜息だった。
「アンタねぇ……他人を自分の兄貴と見間違えるって失
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