罪と罰
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戦わせ、自分達は警備などの安全な仕事ばかりで私腹を肥やしていた。久世は現在はアメリカで活躍しているガイに協力を要請し、そこから子供たちを全員救い出し
『今日から皆私の息子です。さあ銃を捨てなさい、子供にそんなものは似合わない』
「俺達を息子として引き取った」
「そんなことが……」
「未来院はそんな子供達が大多数さ、他にも両親が死んで身寄りが無くなった子供だとか」
久世の行動は偽善かも知れない、ミカたちを救い出してもヒューマン・デブリなど他にも幾らでもいると。だが彼は声を大にしてこう言い返すだろう、だからと言って今手を差し伸べれば人として生きられる子供を見捨てろというのかと。彼はこれからも子供を救い続ける、自分の手が届き力の限り。話を聞いていたセシリアは瞳からぽろぽろと涙を流していた、心の奥底から漸く出来たのだ。自分がどれだけ愚かな事を言ったのかと。
「でもさ、俺もうどうでもいい。アンタの謝罪とか、どうでもいい」
「そ、そんなぁ……如何しても、許して貰えないのですか!!?」
「許すとかじゃない、俺の気はもう済んでる」
「……えっ……?」
涙で顔がクシャクシャになっているセシリアは思わず気の抜けた声を上げてしまった。
「アンタ、また未来院悪く言う気あんの」
「あ、ありません、ある訳がありません…!!だって、だって……」
「ならいいよ。今度言ったらもう容赦しないから」
「……感謝いたします……ッ!!!」
先程より深く頭を下げた、もうこれで良い。自分の気持ちを彼は受け取ってくれたのだから、もう満足だ……と。セシリアはもう一度頭を下げてから部屋を出た、これから部屋に戻って山のように課された始末書と課題をしなければならない。
「全くお前って優しいのか酷いのか解らないな」
「そうかな」
「そうだよ、あれだって結局関心が無くなったってだけだろ」
ミカはセシリアの事を許したわけではない、あくまで許容し関心を無くしただけ。セシリアの謝罪の言葉など受け取っていない。
「そういえば彼女、一応代表候補に残ったらしいな。まあ本国からこっ酷く怒られた上に山のように罰が出たらしいけど」
「へぇ、登録抹消じゃないんだ」
「父さんが改善の余地があるなら抹消は無しで良いって言ったんだと。まあ彼女自身BT適正が高いって話だからイギリスからしても手放したくないだろうし」
後日セシリアは髪をバッサリと切ったショートヘアーとなって1組の教室の中で土下座をしてクラス全員に謝罪した、その姿と行動に全員が驚きその誠意を理解し謝罪を受け入れた。
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