罪と罰
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ムの一部を展開して対応すればいい、彼女を奥まで連れて行くとミカは顔を上げてセシリアを見た。試合の時の戦いぶりがフラッシュバックしたのかフラッと身体が揺れるが直ぐに持ち直す。
「何の用」
「この度は……本当に、申し訳御座いませんでした……!!」
セシリアはその場で膝を付き頭を床に付けて謝罪した、土下座だ。まさかイギリス人である彼女がこれをするとは思わなかったのか一夏は呆気に取られた、ミカは全く動揺していないが。
「私が言った言葉はもう撤回出来ません、貴方方にとって未来院という場所がどれほどに大切な場所である事も理解せず侮辱してしまった事申し訳ございませんでした……!!!」
「随分虫が良いんだね、ロクでもない人間の集まりだとか言ってたのに」
「………っ、未来院の事、自分で調べました……」
「そう」
セシリアは唯震えていた、ミカの強さだけではなくその怒りに。そして何故自分がここまで恐ろしい目に合ったのかを辿り未来院を侮辱したからと理解した、そして自分は未来院の事を全く知らない事を知り調べた。
「如何思ったの」
「言葉を、失いました……。私は女が強いの当然だと、男は弱いと思っていました、ですが……強いのではなく唯、傲慢なだけだと解りました……」
生まれて来たのが男だからという理由で捨てられた孤児、社会問題にも発展している。その孤児の殆どが人身売買されている、それも恐ろしく安値で。不良品の欠片などが安値で売られている事からつけられた総称がヒューマン・デブリ、人として扱われず所有物として扱われる子供達……。
未来院の創設者である未来 久世はそんな子供たちを引き取り我が子として育てている、その優しさと愛の大きさにセシリアは驚いたがそれ以上にヒューマン・デブリの事が衝撃的であった。生まれて来た我が子をあっさりと捨てる親がいる、そして捨てられた子どもたちは奴隷同然として扱われ人として扱わない、そんな子供達が生き抜く術は殆どが少年兵しか無い事に……。
「そして、以前三日月さんは仰っていられました。生きていくだけで精一杯だと」
「ああ、俺もヒューマン・デブリだった」
中東で少年兵として生きていたミカは、戦闘中に仲間とはぐれ怪我をしていた。もう死ぬのかと思った時、久世と出会った。怪我を治療した上に温かいスープとパンをご馳走してくれた、そんな大人に会った事など無かったミカにとって衝撃だった。
『ねぇ……オルガ、達にも食べさせてあげて……』
『オルガ?君のお友達?』
『うん……皆、にも……』
そう願った、自分だけではなく仲間にもと。失礼かもしれないが心からそう思った、久世はミカを抱きしめて仲間の元がいるであろう場所へと案内して貰った。そこは小さな民間軍事会社(PMC)だった。大人達は子供達だけ危険な戦場で
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