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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第84話:懐に飛び込まれた方が防御はしにくいものだ
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(グランバニア城・宰相兼国務大臣執務室)
レクルトSIDE
地下牢で随行員の面会に立ち会い一部始終を見届けた後、再度ウルフ君の下へ戻ってきた。
ホザックのパンタリオン伯は他の皆様と合流して、今日はスタジアムを見学するらしいけど、僕は面会立ち会いの報告をしなければならないので戻ってきた。
「如何だった? あのスケベ面……最後の別れを済ませてたか?」
「はい。本当に仲の良い旧友だったらしく、地下牢へ着くなり鉄格子に齧り付き泣き崩れてました」
アレは驚いた。
昨日面会してた為か、どの独房か解っていたらしく、素早く駆け寄るともう会えなくなる事を嘆き蹲って泣いていた。
ボロボロの泣き顔と目が合ってしまい、先方も気まずかったのか直ぐに背を僕に向け、鉄格子越しに寄り添うように別れを惜しんでいた。
「何か怪しい点は見受けられなかったか?」
「終始号泣はしてたけど、気になった点は無かったです」
「妙な会話もしてなかったか?」
「5メートルは離れてたんですが、そこまで聞こえてくるような大声で会話してたので、妙な会話は無かったです」
「そうか……この後リュカさんにも報告するんだろ?」
「え!? あ……え〜と……」
本当は陛下にも報告するつもりだったんだけど、その事を問うてきたウルフ君の顔が何かを企んでいるように見えて、言葉に詰まってしまう。
「何だ……陛下への報告はしないのか?」
「そちらは閣下からお願いします。僕は閣下の指示で面会立ち会いをしたわけですし、閣下にこそその義務があると考えます」
何かに利用される……そう思った僕は咄嗟に報告する事を取り止めた。
「何だ……報告してくれないのか。楽できると思ったのになぁ」
「閣下の仕事でしょう」
そうだ……僕を利用するな。
「せめて軍務大臣には報告してくれるんだろ?」
「そ、それも閣下からお願いします。事後報告になるわけですし、如何いった経緯で軍務秘書官の僕が閣下の指示に従ったのかも合わせてお願いします」
「そっか……それも報告しないと拙いのか。面倒臭ーなぁ」
「でも閣下の仕事ですからね。お願いしますよ」
そうだよウルフ君。僕を利用しようとしたって思い通りには動かないよ。
「仕方ない……ピピン大臣には今から行って報告しておくよ。相談したい事もあるし……」
相談したい事? 何だ一体……?
それに随分とアッサリ引き下がった気がする。
「じゃぁレクルトには別の事を頼みたい……ティミー殿下はギルバート殿下等を連れて今日はスタジアムの見学をするらしいんだ。そっちに付いていって昨日同様ガイド役をお願いする……この件もピピン大臣には報告しておくから」
えー、今日もあの連中のお守りをするのぉ!?
でもなぁ……陛下とピピン閣下への報告義務をウ
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