氷の狙撃手
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あれは、もう何年も前の話。
真夏の東北地方は涼しげで、まだ関東地方よりは過ごしやすい暑さだった。
そんな日、私が住んでいるマンションの隣にある家族が引っ越してきた。
玄関にチャイムが鳴り、お母さんが出る。
「初めまして、この度隣に引っ越してきました藤咲です。」
「初めまして、ご丁寧にどうも。朝田です。」
そこには、ニコニコしている優しそうな女の人と、その旦那さんらしき身長の高い格好良い男の人、その2人に挟ませるかのように真ん中で立っている同い年ぐらいの1人の男の子がいた。
「ほら、詩乃。挨拶しなさい。」
私はお母さんに手を引っ張られ!お母さんの隣まで来て挨拶した。
「……初めまして、朝田詩乃です。」
私が挨拶すると女の人はニッコリと微笑んで、私の目線までしゃがみ男の子の肩を掴み話した
「初めまして、詩乃ちゃん。この子は私の子供の明煌、ほら明煌挨拶して。」
「初めまして、藤咲明煌…です。」
お母さんとその人達はニコニコ笑いながら会話していた。
「あ、そうだ。」
すると、突然お母さんがポンっとなるように手と手を重ねて言った。
「詩乃は今度、小学1年生なんです。明煌くん小学2年生でしたら……」
お母さんがそこまで言うと彼のお母さんも分かったようで「えぇ、そうしましょう!」と一気統合していた。
その頃私達はお互い話もせず、ただお互いの親を待っている状態だった。
私は少しだけ彼に話してみたかった。
「ねぇ…明煌くん。」
「明煌で良いよ。」
「え?」
私はいきなり過ぎて戸惑った。
まだ会って少ししか経っていない相手で、しかも1個上に呼び捨てで呼んでいいと言われると思っていなかった。
「明煌の方が呼びやすいと思うから…。」
──この子…優しい子?
驚きながらも少し微笑んで彼に視線を向ける。
「分かったわ、じゃあ私の事も"詩乃"って呼んで。」
私は今までで一番の笑顔で笑った。
そのとき明煌の顔が少し赤くなって、ぷいっと私から視線を離した。
「どうしたの?」
「な、何でもない!」
私は疑問に思いながらも、そのまま話し続けた。
帰るときに彼が両親にいじられ、お母さんがその光景に笑っていたがよく分からなかった。
あれから小学校が同じでずっと一緒に登下校していた。
だが、そんな幸せな時間もある日を境に壊れた。
ここは、SAO《ソードアート・オンライン》の世界にある浮遊城アインクラッドの第50層フィールド。
先程、明煌…ではなくアキの言葉に驚き宿を出てフィールドに出てきてしま
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