美保鎮守府NOW-Side B- PART4
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実戦配備されていても不思議はない。
「あ、それとウチから美保に近接格闘の教官を送る事になるかも知れん。選定を進めといてくれ」
『格闘の教官、ですか?』
「あぁ、ここの艦娘は遠距離からの先制攻撃が主な戦略で懐に入られてからの対応が甘い。それでウチから教官をと思ってな」
まぁ、まだ確定の話ではない。俺が直々に教えてもいいんだが……流石に何ヵ月も留守にするわけにもいかん。
『となると……夕立ちゃんとか朝潮ちゃん、武器術も教えるなら木曾さん辺り等でしょうか?』
「まぁ、ウチの守備を緩くするワケにもいかんからな、慎重に選ぶさ」
晩餐会という名の即席縁日の席で出た話だ、今はまだ話し半分で留めておけばいい。
「でも、美保の提督はちょっとお坊っちゃま過ぎるよネ?」
縁日の後の一幕を思い出した金剛が苦笑している。
「あぁ、テキ屋の対応か?あんなのトラブルの内にも入らんだろ」
俺が提案した食事会があれよあれよと言う間に屋台を組んでの縁日に化けてしまったのだ。そうなればこっち、屋台の機材の貸し出しやら何やらでそういう組織と関わりを持つ事になる。
『でもその辺は流石ですよね提督は!』
「手慣れてますもんねぇ」
褒められてる気がしないんだが。
「まぁ、あの連中は利益があれば何でもするって連中だからな。その辺を理解してやれば上手く付き合えるさ」
良くも悪くもヤクザってのは利益追求集団だ。金を稼ぐ為なら良いも悪いも無いって連中が多い。中には昔気質の義侠心溢れるヤクザもいるが……そんなのはこのご時世、ごく少数だ。まぁ、組織の頭なら清濁併せ飲む位の度量が無けりゃあな。
「……そういや、鎮守府の様子はどうだ?」
ここの所打ち合わせの話はこちらからの報告ばかりで、鎮守府の様子を聞いていなかったのだ。
『皆元気ですよ。加賀さんが判子の押しすぎで腱鞘炎になりそうだとぼやいてましたが』
そう言って大淀が苦笑いを浮かべる。と、画面の向こうの執務室のドアが勢い良く開かれた。
『大淀さん、ヤベェよ!』
飛び込んで来たのは江風。川内が提督の護衛に就いている間、警備班を任されている娘だった。
『何です?夜中に騒がしいですよ』
『だから、緊急事態なんだって!表を陸軍の奴等が囲んでる!』
「大淀!」
『解ってます、緊急の総員起こし!警備班は相手に見つからぬように待機。門前での対応はーー…』
『私達が参ります』
『大和さん!武蔵さん!』
『折角いい酒を飲んで、気持ち良く寝ていたのを叩き起こされたんだ。ちょっと位脅かしても構わんだろう?』
そう言って武蔵の眼鏡の奥の目がギラリと光る。あれは本当に不機嫌な時の目だ。提督は直感
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