美保鎮守府NOW-Side B- PART4
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どウチにもあるような装備で、面白味が無かったのは確かだな」
青葉の問いに、苦笑いで返す。表向きには無い事になっている装備だが、備蓄してあるのさ……色々と。実際、あの場で『興味がない』と言ったのは事実。けれどもそれは『使う気がない』からではなく、『既に保有している』から興味が無かったのだ。
『でも、あんまりウチには無かった発想ですよね?対人用の小火器を深海棲艦用に使うなんて』
「確かにな。だが、ウチには既に保有している小火器に加えて対深海用に切れるジョーカーがある」
暫くうんうん唸っていた青葉と明石だったが、
「あ、深海鋼があります!」
『成る程、メタルジャケットを作れれば……!』
「そういう事だ。無理にアンチマテリアルを準備したりする必要もない」
銃弾の種類の中にメタルジャケット、と呼ばれる物がある。銃弾の芯を鉛で作り、衝突時の変形を防ぐ為に真鍮で
表面をコーティングして貫通力等を高めているのだ。そしてそのコーティング用の金属を深海棲艦と艦娘に特に効果を発揮する深海鋼を用いれば、もしかすると人の火器でも深海棲艦に対抗する事すら可能かも知れん。
『早速明日から研究を始めます!楽しみだなぁ……』
画面に映る明石の表情は恍惚としている。本当に楽しみで仕方ない、といった表情だ。
「程々ほどにしとけよ?お前の場合熱中すると本業に影響すっから」
『はーい』
やれやれ、言う事聞かねぇなこりゃ。
「でも、今日のデモンストレーションはやり過ぎだと思いませんか?darling」
「あぁ、軍用車ぶち抜いたり沖合いにマネキン置いて狙撃した事か?ありゃあちらさんなりの牽制だろ、多分」
『牽制、ですか?』
「あぁ。こっちの狙いに気付いてるぞ、事を構えたくなかったら退いてくれってな……ま、古典的な手だよ」
絵図を引いたのは誰か解らんが、美保提督では無いような気がしている。となると、副司令の祥高辺りが怪しいか……可能性は低いがジジィの線も捨てきれない。
「でもそんな脅しで止めるつもりはないんですよね?」
ニヤリと笑う青葉。
「当然だろ?俺がそんな殊勝なタマに見えっかよ」
その程度の脅しに屈するようでは、あの狸ジジィと付き合う事なんぞ出来やしない。
「あ、そうそう。昼食の後に大きな地震があって、それに乗じて深海棲艦の襲撃があったんですよ!」
『え、そうなんですか?』
「あぁ。迎撃にレールガン使われて瞬殺されてたがな」
『はい?レールガンて、またまたぁ。SFの世界じゃないんですから!』
明石が真っ向から否定してはいるが、実際アメリカ軍は正式採用の為の試験運用位の段階にあると聞いたのが数年前。
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