甘美なる毒、閉じた心の殻
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…その心と体、私の毒で虫食みつくしてやるから覚悟するのです!」
ここもバトルタワーのフィールドである以上ルールは同じ。ダイバとジェム両方に憎悪と怒りを向けるアルカとのマルチバトルが始まる。だがアルカは容赦なくジェムとダイバを直接狙ってくる以上こちらは手持ちから降りることが出来ず、もしラティアスやメタグロスが倒されれば絶体絶命になり得る。ある意味ドラコ相手よりも厳しい勝負だ。
「ペンテス、『パワーウィップ』です」
「ラティ、守って! 『サイコキネシス』よ!」
ウツボットがいくつもの蔦に力を込めてしならせ、ジェムに直接襲い掛かる。『クリアボディ』により能力の下がらないダイバのメタグロスと違い、ラティアスの体は『甘い香り』の効果を受けているため直接躱しきろうとすれば先ほどの二の舞。対応するラティアスの瞳が光り、襲い来る蔦を念動力で操ってこちらが動かして相手が攻撃できないように蔦を蝶結びにした。更にウツボット本体に括り付け、まるでウツボットの頭にリボンでもつけたようになる。
「これで動きは封じられた。……ウツボットに『思念の頭突き』」
ダイバは二つの腕に一時的に乗り、メタグロスの残った本体が頭の思考回路をフル回転させることによって生まれた念力の籠った頭突きを放つ。体を自分の蔦で縛られたウツボットは避けることが出来ない、が。
「その程度……ペンテス、『蓄える』!」
ウツボットが自身を縛る蝶結びの蔦を無理やり口の中に入れ、蔦を溶かしていく。それによって得られたエネルギーがウツボットの体を覆い、『思念の頭突き』によるダメージを軽減した。蔦の先端が溶けたことで、再び自由に動くようになる。
「自分の体の一部を食べるなんて……」
「生き延びるために必要なら当然ですよ。そして、あなたたちも最期はこうなるのです。ペンテス、『パワーウィップ』!」
「ラティ、もう一度お願い!」
「させませんよ、プランチ、『ミサイル針』です」
しなる蔦が全てダイバを狙う。ラティアスがもう一度操ろうとしたがドヒドイデの殻が毒のしみ込んだ針を飛ばしてくる。ラティアスは慌てて横へ避けたが、続けて何発も放たれる針を避けるので精いっぱいで蔦をコントロールすることが出来ない。
「ダイバ君!」
「……メタグロス、『高速移動』!」
「はっ、あなたが振り落とされるのがオチなのです!」
今ダイバはメタグロスの腕に乗っている。ダイバはまるでスケートボードにでも乗るような体勢を取ると、一気に腕が加速した普通ならばダイバの身体だけが取り残されてしまいそうなものだがダイバは腕の上でバランスを取り、追いすがるウツボットの蔦を上下左右、フィールド内を駆け巡るように躱していく。まるでメタグロスの腕とダイバの足が一体
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