45話「ロリへの愛は世界を救うか?P〜中ボス戦 終〜」
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★★★
床が超高熱のマグマと化している以上、飛行盾から落とされたら人生終了だが……まだ俺には奥の手がある。
しかし、今のタイミングで使うと意味がないのだ。奇襲攻撃で一気に逆転しないと勝てない。俺は魔力が少ないし、ドナルド先輩みたいな複合魔法も使えない。
小手先の工夫じゃ足りないくらい、手数はドナルド先輩の方が上で魔族がいて、戦力に差がありすぎている。
「これで終わりだよ!襲撃暴風波(キル・ストーム!)」
これでトドメだ!と言わんばかりに、ドナルド先輩が発動した魔法は……風を強化した複合魔法だった。
しかも、魔法の鞄から土を出して、目潰し攻撃まで兼ねてある。目を開けない。詠唱すれば口に砂が入る。魔導師が嫌がる事をしまくった強風だ。
こんな状況じゃ、俺の方も魔法の鞄からアイテムを出しても意味がない。落下地点が風のせいでずれるし。目を開いた瞬間に、大ダメージだ。目は外部に露出した臓器であり、簡単に壊れる弱点なのである。
こうなったら、奥の手を使うしかない。そう思った瞬間――
「えへんっ!正義の味方はピンチの時に駆けつけるんですよ!」
病みつきになる可愛い声が場に響いた。場の温度が一気に代わり、先ほどまでマグマのせいで暑かった密閉空間が急速に冷えていく。どうやら、白真珠が魔氷剣をマグマに突撃させて、凍らせたらしい。
マグマは物理的な存在に過ぎないから、魂的な存在である魔氷剣には何のダメージもない。考え尽くされたやり方……と言いたいが、何も考えずに、マグマに魔氷剣を突き立てただけなのだろう。
この魔氷剣も、よく考えたら、全く異なる進化を遂げた魔族の一種なのだと思うのだが、そこらへんは気にしちゃ駄目だ。迷宮管理機構あたりが激怒して、白真珠を黒バッジに落としかねない。
俺は目を開く。飛行盾から落とされた俺は凍った床に着地。強風は勢いを失って、砂は飛んでこない。
ドナルド先輩は、白真珠が次々と投げてくる氷を回避しながら対処して、雷と風を混ぜた複合魔法を詠唱しつつある。これが完成したら、白真珠は黒焦げになるか、また遠くへと飛んで戦線離脱しかねない。
一気に叩き込んで、形成を逆転するために、俺は今まで隠していた奥の手を使うことにした。
「いけぇー!今までの話を聞いた通り、あのやさぐれたサラリーマン風の男はっ!快楽の魔族の味方をして、ハーレムやっている糞リア充だぁー!」
俺の叫びに、影の中に潜んでいた影人間達が、ドナルド先輩に殺到する。
影人間も魔族も、どっちも魂だけの生き物だが、さすがに遮断装置で毒電波を浴びて、弱体化している魔族相手なら、呪文の詠唱の妨害くらいはできるはずだ――そう思った。
ゾクリッ
強大な魔の気配が、通路の各所から漂う。この感覚を俺は知っている。
第二階層に行った冒険者なら、誰だ
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