ガンダムW
1654話
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「以前であれば、ガンダムというMSは知られていなかった。だからこそ可能だった。だが、今は既にガンダムというMSの存在を知られている以上、アクセルが考えているような事は不可能だろう」
「……なら、他に何か手段はないか? それこそ、別にどこかの基地に拘る必要はない。いや、寧ろ何かあったらすぐに移動出来るような、そんな設備でもいい」
「移動? 馬鹿を言うな」
「……移動?」
老師Oがあっさりと無茶を言うなと告げたのに対し、プロフェッサーGは何かを考えるように呟くと、じっと俺に視線を向けてくる。
まぁ、何について考えているのかというのは、容易に想像出来る。
移動出来るMS開発設備……そう、プロフェッサーGとハワードの2人が作ったピースミリオンの事だ。
現在は月の裏側に存在するその存在……ピースミリオンについて。
何故俺がその情報を知っているのかと、今のプロフェッサーGはそう思っているのだろう。
いや、それともピースミリオンについては、知っていると臭わせているだけなのだが、実際にはまだ本当に俺がそれを知っているのかは分からない。そう思っている可能性もあるか?
ともあれ、俺を怪しんでいるのは間違いない。
だが、ピースミリオンを作ったのがプロフェッサーGとハワードの2人であっても、実際にそれを作る為にはある程度の人数が必要だった筈だ。
ピースミリオンの正確な大きさは分からないが、原作でリーブラにぶつかった時の事を思い出せば、その大きさは決してリーブラに劣るものではないのだから。
リーブラを建造する為に、宇宙の人間の多くがその作業を行った。
なら、そのリーブラと大差ない大きさのピースミリオンの建造に掛かる労力も言うに及ばずだ。
であれば、当然その全員から情報が漏れないなどという事は有り得ない訳で……
勿論普段であれば口を噤んでいるのかもしれないが、酔っ払った時とかつい口を滑らせるというのは珍しい話ではない。
「それで、どうだ? 何かそんなのに心当たりはないか?」
じっと、プロフェッサーGの顔を見ながら尋ねる。
そのまま数秒……向こうはこっちの心の中を覗き込もうとでもするかのようにじっと視線を向けてくるが、俺はそれを正面から受け止める。
生きてきた長さという意味では、今の俺でもプロフェッサーGには及ばないだろう。
だが……それでも、人生の中で体験してきた数々の出来事の密度という一点においては、俺に敵う者はそういないと断言出来る。
寧ろ、俺よりも濃い人生を送ってきた奴がいたら、是非見てみたい。
……勿論こうして色々な漫画やアニメといった世界が幾つもあるのだから、中にはそのような者がいてもおかしくはないけど。
それでも大多数の者は俺より濃い人生を送ったりはしていない筈だ。
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