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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act3 帰還
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後にふざけた言葉で店を出て行った初老の男性。
そこで士郎はハッとする。
「あっ、勘定!って、メール?」
このタイミングにメールが来たので見てみれば、先程の男性からのメールで、特製ブレンドの代金は実費の中に一緒に入れてあると書かれている事が解りました。語尾にハートマークを付けて。
「相変わらず食えない人だ」
先程まで男性が座っていた席を見て、士郎はその様に呟きました。
−Interlude−
ギルの見舞いから戻ってきた奥さんとタッチ交代した士郎は今、横浜港北総合病院に来ていた。
あの男性の依頼の前に、未だ目覚めていない未帰還者に遭いに来た――――と言う訳では無く、ある事情で訪れていました。
「やあ、衛宮君。久しぶりですね」
「はい。お久しぶりですね倉橋先生」
士郎が来たことをナースステーションからの連絡で受けた倉橋と呼ばれた男性は、全幅の信頼を寄せた友人の様に士郎を迎えて来ました。
「その後あの少女――――紺野藍子さんの経過はどうです?」
士郎の言う少女がいる特別な無菌室に向かいながら話し合っています。
「良好ですよ。既に末期直前まで言っていた藍子君の体を蝕んでいた病の多くを取り除く事が出来ています。これも衛宮君が作成した医療機器のおかげです」
倉橋医師の言う通り、士郎が制作した医療機器のおかげで被験者の少女の重病のレベルを下げるなどして幾つも取り除くことに成功した様です。
しかし、士郎は言います。
「何を言うんですか?倉橋先生の理論が有ればこそ、アレは完成させることが出来たんです。ですから寧ろお礼を言うのは私の方ですよ」
士郎が生まれた世界で魔術協会から追われた理由は、封印指定級の魔術特性を知られたからだが、聖堂教会から追われた理由は自分の魔術を遠慮なく人助けに使って行き、神秘の秘匿に対して碌に気を使わなかったからです。
士郎はその事に関して後悔などせずに、寧ろより積極的に使って行きました。
そしてこの世界でもと最初は思った様ですが、自分を助けてくれた遠坂たちの想いを裏切る訳にはいかないと考え、思い改めました。
しかしお人よしの性質は易々とは変えられず、せめて自分の目の届く範囲の人々は救いたいと言う方針で行くことにした士郎は、出来るだけ自分が魔術を使ったとばれにくい方向性として、機械を媒介にして人助けをすると言う事で、医療機器に着目したのです。
士郎のみが使える投影魔術の概念武装の力を抽出し、医療機器に生かせないかと言う研究を弁護士になる為の勉強の傍らでずっとしてきた士郎が高校生になる時、倉橋先生と出会いました。
倉橋先生の医学会での論文は行き過ぎていて、その理論を今の技術では再現できないと壁にぶつかって
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