エピソード3・始まりのオーメン
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られなかった。良いおじいちゃんって、こういう人の事を言うのだろう。
「次元世界にもし行けたら、ジャンゴに渡してやってくれ。きっとあいつの助けになるはずじゃ」
「そうさせていただきます。ただ……これは私よりリタが持っていた方が色々と都合が良さそうなので、彼女に預けても大丈夫ですか?」
「……そうだな。そろそろ身を固めて良い年頃じゃし、恋路に決着を着けてもらいたいものじゃな」
若者を見守る大人らしい意見だが、恐らく彼の言葉は私やザジにも当てはまるのだろう。そもそも……未来の私は、どんな風に生きているんだろう?
「ヘイ、テラガール! そんなところで何してるんだ?」
ガラティーンを背負ってから鍛冶屋を出て階段を昇ると、相変わらず目立つアフロ頭のキッドが何やら大きな荷物を店の前に降ろしており、私に話しかけてきた。どうやら他の街から新しいアクセサリーを仕入れたところのようだ。ちなみに彼が私をテラガールと呼ぶのは、異世界から来たからだそうな。
「これから私達も旅に出るから、皆にその連絡をしてるところ」
「ホワッツ!? オマエが急に旅って、一体どういうこった!?」
事情説明。
「ソーラーボーイの行方は確かにオレも気になってた。探しに行ってくれるってのはありがたい話だが……オマエ、無理はしていないだろうな?」
「無理って?」
「いやな、オマエって結構臆病だから、強く言われて断れなかったんじゃないかと。この前だって、うまく乗せられたせいでバッドな目にあってるし。まぁ、その様子ならオレの心配なんて杞憂だと思うが、無茶だけはしないでくれよ」
最近はアンデッドの数が減ったことでサン・ミゲルの皆もたまに他の街に行くことがあるため、旅自体はそこまで珍しいことではない。ただ、今まで私はこの街を離れなかったから、彼の心配はありがたいことだし、すごく嬉しい。
「心配してくれて、ありがとね」
お礼を言って微笑むと、キッドは頬をかいて、グッと親指を突き出した。
それから私は時計台のエンニオ、マルチェロ、ルイスに挨拶した。ザジとリタは宿屋と果物屋を長期休暇する用意をしているため、図書館にいるレディにも私が話を付けることとなっている。
「あら、いらっしゃい。今日は何かしら?」
なにやら書類作業中だったレディは図書館に入ってきた私に気づくと、ペンを置いてそう声をかけてきた。
「こんにちは、レディさん。急な話かと思いますが、実は……」
「先代ひまわり娘のところへ行くのでしょう? もう知ってるわ」
「流石はギルドマスター、耳が早いですね。ええ、その通りです。これから私達は先代ひまわり娘のところへ向かいます。それですみませんが……」
「当分ギルドの仕事は受けられないってことでしょ
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