エピソード3・始まりのオーメン
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「なるほどなぁ、確かにうちのば……師匠に訊くっちゅうのは中々良いアイデアや。今のうちの力だと、他の世界のことまでは流石に読めへんもん」
突然襲撃された理由を聞いて、ザジは若干疲れた様子を漂わせながらも同意した。
星読みは星々の動きから森羅万象、過去現在未来を読み解く技。だからやれば何でも読めそうだけど、ザジは過去に暴走を起こしたことを先代から聞いてから、安全に制御できる範囲でだけ力を使うようにしているらしい。
暴走時ならもしかしたら並行世界の未来のことまでわかるのかもしれないけど、本人の嫌がることなんてやらせたくない。それは皆が当然のように理解していることだった。
「ただまぁ……サン・ミゲルからやと、師匠の家まで大体3日ほど歩き通しになるで? 行くなら行くで旅の準備が必要やけど、本当に行きたいんか?」
「当然です。わたしのジャンゴさまへの想いはその程度の障害ぐらい、難なく乗り越えて見せます! ですよね、シャロン!」
「え、私も行くの!?」
「だって次元世界に行く方法をシャロンも知っておけば、いつでも戻れるわけですよ。実際にあちらへ戻るかどうかはともかく、方法を知っておくぐらいは構わないと思います」
「リタの言う事は間違ってはあらへんなぁ。それに向こうには一度顔を見せて無事だと安心させて、その後にまたこっちに戻ってくるって方法もあるやろ」
「確かにその通り……なのかな。……そう、だね……一度は無事な姿を見せに行くべきだね。わかった、私も行くよ」
「さよか。あのば……師匠に会いに行くとか、うちとしては気乗りはせんが事情が事情やし、しゃーない。師匠の所まで帰省するとしよか」
そんなわけで、世紀末世界の旅のパーティが出来上がった。RPGで言うなら、リタは前衛職のモンク、ザジは後衛職のウィザード、私は……ハウスキーパー?
「ただのメイドさんやん、それ。シャロンをジョブで言うなら吟遊詩人やないの?」
「後衛職ならそうでしょうけど、前衛職では二刀流パラディンじゃないですか?」
「それだけなら強く聞こえるけど……私の場合、絶対イメージ負けしてる。そもそも騎士みたいな鎧着てない」
ちなみに私は今、黒いスカートと藍色のチュニックを着ている。まぁ、暗色系を中心にした女子らしくも暖かい格好となっていた。
「別にパラディンだからって鎧着てなきゃいけないっちゅうわけやないやろ。元々うちらはシャロンにそういうの求めとらんし」
「まぁ、正直に言ってはなんですけど、その……シャロンって攻撃弱いですからね」
「むしろ……あなた達が強すぎだと思う」
「そういうシャロンは防御がおかしいレベルなんやけどな……未だにあの状況を無傷で生き延びたことにうちらも驚いとるんやし」
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