エピソード3・始まりのオーメン
[13/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
と言っても過言ではない事件だった。故にエネルギー資源を手に入れられなかったことで、わだかまりを抱いてしまう者も少なからず存在していた。
それが関係しているのか詳細は不明だが、フェンサリルで髑髏事件を解決した貢献者たちへ何者かが爆破テロを行った。緊張状態に陥っている次元世界にとって、その事件は最悪なことに新たな火種となってしまった。フェンサリル含む管理外世界にとっては存在と誇りを守った恩人、アウターヘブン社にとっては重役かつ身内が攻撃を受けたということで、彼らは管理世界に疑いの目を向け、管理局に誠意ある対応を求めた。だがやはりと言うか、管理世界は関与は否定し、管理局も犯人に繋がるまともな情報が手に入らなかった。しかし管理外世界側には管理世界側のこれまでの所業や現状もあって、管理局の返答を信用できなかった。そして疑いが疑いを呼び、互いが互いの怒りや憎しみ、不満を増大させていった。
幼い子供ですらわかってしまうほど次元世界に負の感情が渦巻き、最早戦争は避けられない……誰もがそう思っていたその時、第100管理外世界ミルチアである声明が大々的に発表された。それは……、
『ミルチア首相ハインラインより同盟国諸君、我々“オーギュスト連邦”が表舞台に立つ時が来た。連邦議会長として管理世界へ宣言しよう、我々連邦は管理局の支配から完全な独立を果たす!』
オーギュスト連邦とは水面下で管理外世界同士で結んだ同盟……管理局と対を為す次元世界規模の“国家”。管理局とは違い、オーギュスト連邦に加盟した世界は戦力を保持したまま自分達の世界の治安を守り、加盟国間の交流は盛んに行う。そして管理局やロストロギアが無理やり関わってきたら、連邦の総力を挙げてでも対処する。要は管理局の傘を否定し、管理外世界同士で力を合わせて生きようとしているのである。
次元を超えた組織はアウターヘブン社などを含めていくつか存在しているが、それらは大なり小なり管理局との協力関係があったりする。しかし今回は違う……連邦は管理局と真っ向から立ち向かう姿勢を見せていた。いわば管理外世界が生み出した、性質が真逆の管理局……それがオーギュスト連邦。この広い次元世界を調査する以上、管理局にとってはいつか生まれる、もしくは遭遇する、テロリストでも犯罪組織でもない、別の次元国家……同じ土俵に立った組織だった。
幸か不幸か、今の管理局は髑髏事件の影響でまともな局員が動けるようになっていた。彼らは管理外世界で膨れ上がった負の感情が今にも爆発しそうなのを知っており、そして連邦はそれらの意思を“制御”するために生まれた組織なのだと気づいた。彼らの意思をまとめておきながら、結果的には戦争を起こさないようにした。最も合理的に意思統一と戦争回避を同時に成し遂げた奇策。それが出来るのは彼らの知る限り、あの者達しかい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ