エピソード3・始まりのオーメン
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てハーブティーをご馳走になりながら自己紹介を行い、ザジと先代ひまわり娘は最近どうしてるかといった近況報告をした。そして場が温まってきた頃に、ザジが本題を切り出した。
「次元世界に行く方法やと?」
「せや。それで師匠は何か良い方法とか知ってはる?」
「…………フフフ」
「師匠? なに急に笑っとるんや?」
「いや……とうとうその時が来たんやな〜と」
「その時?」
「こっちの話や。それより次元世界に行く方法やけど、それはあんたの力で出来るで」
「は? いやいや、うちにそんな力は無いはず……」
「あんたが覚えてないだけや。魔女の力、エナジーの力、それ以外のもう一つの力をザジ、あんたは持っとる。“アニマの器”……あんたが失ったままの記憶に、その力の正体が刻まれとる」
「え、ザジさまは記憶喪失だったのですか?」
思わずリタが尋ね、ザジはバツの悪そうな表情で頬をかいた。
「う……その通りや。うちは師匠に会う前の記憶を一部思い出せへんの。なんちゅうか、所々が抜け落ちとるんや……でも“アニマの器”なんてモン、初めて聞いたで?」
「はぁ、エレンの奴から何も聞いとらんのかいな。太陽都市から落下する際、あんたの身体ン中に入っていった金属板。アレや、アレがアニマの器や」
「……? うち……太陽都市から落ちたことあったっけ……? って、エレン!? 確かあいつは次元世界にいるはず……つまり師匠はあっちと連絡が取れるんか!?」
「ちゃうちゃう。エレンがうちに連絡を寄越した時だけ話せるんよ。逆にうちからコンタクトすんのはもう無理やね」
「はぁ……あいつ、あっちの世界で何をしとるん?」
「それを理解するには、まず今の次元世界の情勢を知っとく必要がある。かなり長い話になるから、まぁのんびりしながらゆっくり聞いとき」
一ヶ月ほど前にエレンから連絡が来た際、彼女の今もそうだが次元世界の情勢について話してもらったことを、先代ひまわり娘は語り始めた。
ここ最近の次元世界はとても安定しているとは言い難い状況だった。第66管理世界ニダヴェリールの消失から始まったファーヴニル事変、そこから管理世界のエネルギー資源不足が発生し、それが深刻になってきたことで管理局は第13紛争世界フェンサリルにエネルギー資源の無償提供を求め、それを拒否したフェンサリルと管理局との間で髑髏事件と呼ばれる、次元世界全体を揺るがした大きな戦いが起こった。
その事件はアウターヘブン社の尽力のおかげで一応収束したものの、次元世界……主に管理世界は今もなお混沌の最中にある。管理外世界は互いの連携を強めていくのに対し、管理世界はエネルギー資源不足が解決できなかった。髑髏事件とは見方を変えれば、“管理世界が管理外世界に敗北した”
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