暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
エピソード3・始まりのオーメン
[1/16]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
夢……。

私は夢を見た……それは別の世界の光景、あるいはただの妄想だったのかもしれない。

選ばなかった選択の行く末……。
こうならなかった世界の道筋……。

夢とは何なのか。
眠りについている間に見る映像?
心に眠る願望を見ているだけの幻?

現実感とは何なのか。
魔法なんてものが無く質量兵器で争う光景?
無数の人が交差点を行き交う都市群?

答えはわからない。でもその夢は……どちらにも当てはまらないのに、どちらにも当てはまる……まるで何かの答えを見ているようだった。


俯瞰視点のような場所で、私は見た。海に近い倉庫街……そこに消えたはずのサバタがいた。彼が近くにあった錆びまみれの倉庫に入ると、その先はなぜか古ぼけた屋敷の部屋になっていて、窓の外の景色も海じゃなくて雑草だらけの庭が映っていた。

部屋の中央にあった二つの椅子、片方にはスーツと二本の小太刀、もう片方には妖艶なドレスが残っていた。それを一瞥した後、サバタは屋敷の地下に向かった。そこには紫色のバイクがあり、綺麗なドレスがまるで寄り添うかのようにかかっていた。

場面が変わり、人っ子一人いない荒廃した街中をバイクで走るサバタ。途中に残ってた看板には翠―とか、―鳴―などの文字が微かに残っていた。虚しい風景を後に彼は無言のまま、バイクの次元転移装置を起動、次元空間へ飛び込んだ。

降り立った別の世界は辺りが砂漠で、砂の中にビル群が埋もれていた。バイクを止めたサバタは、人の気配が一切ない街へと歩き出した。そして街の中央にそびえ立つ象徴的な建物を見つけて行ってみると、そこはミッドチルダ地上本部だった。そう、この砂漠しかない世界は次元世界にある別の世界(フェンサリル)ではなく、第一管理世界ミッドチルダだった。栄枯盛衰を体現している世界……生命の気配が微塵も感じられない世界。だが、そんな場所だからこそ蠢く存在がある。

日が沈み、辺りが暗くなってきた。夜の到来で、アンデッドが外に出始めた。訪れた生命に群がってくるアンデッド……軽く目を伏せて首を振ったサバタは、見たこともない大鎌を手に召喚し、ゼロシフトを使いながらアンデッドの大群に斬りかかっていった。他にも見覚えのある暗黒剣と暗黒槍も用い、暗黒転移の神出鬼没っぷりと体術の凄まじさもあって爆撃機のように敵を蹴散らしていった。

また場面が変わり、今度は通路にはびこるクレイゴーレムをサバタが一刀両断、何かの施設を突き進む。そしてたどり着いた最奥部には、天球儀と似た巨大な物体があった。だけどその物体の前には、二本角のヴァンパイアと、左腕がおぞましい見た目のアンデッドがおり、しかも次の瞬間、部屋の天井が壊れてヴァナルガンドと、ヨルムンガンド、ファーヴニルが姿を現した。

どう考えても勝てる訳がない化け物
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ