第二話 異世界その八
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「見せるまでもなかったが」
「御前折角見てくれっていうんだからな」
久志は平然として言う英雄に眉を顰めさせて言った。
「もうな」
「見てもらえか」
「素直にそうしてもらえばいいだろ」
「俺はそうは思わない」
「全く、人の好意がわからない奴だな」
「安心しろ、意地の悪いことはしない」
「そういう問題じゃないだろ」
久志はまだ英雄に言う、だが神父はそんな二人に笑って言った。
「その剣術ならこの大陸でも。ドラゴンや巨人でも相当大きくない種類でもないと大丈夫でしょう」
「強いモンスターでもないとですか」
「はい、ドラゴンの他にグリフォンやキマイラも強いですが」
それでもというのだ。
「並のモンスターなら平気です」
「ならず者達もですね」
「二人位なら大丈夫かと」
二人の剣の腕ならというのだ。
「ご安心下さい」
「それじゃあ神殿まで」
「あとだ」
英雄は神父に問うた。
「一つ聞きたいことがあるが」
「何でしょうか」
「この島には闘技場だの稼げる場所はあるか」
「戦いで、ですか」
「そうだ、あるか」
「はい、あります」
即答でだ、神父は英雄のその問いに答えた。
「大抵の街に闘技場はありますしモンスター退治や用心棒の依頼も」
「あるのか」
「そうしてお金を頂けます」
「そうか、わかった」
「そこでお金をですか」
「手に入れるとしよう」
「あの、お金でしたら少しは」
「そこまではいい」
あっさりとだ、英雄は神父の金銭での援助を断った。
「金位は自分で稼ぐ」
「俺もですよ」
久志も笑って言った。
「それ位はです」
「左様ですか」
「はい、ですからそこまでのお気遣いはいいです」
「まあモンスターを倒せばお金も手に入りますが」
「そうですか」
「はい、モンスターやならず者は必ずお金を持っています」
そうだというのだ。
「この島では」
「だからですね」
「モンスターやならず者を倒すことを生業にしておられる方もいます」
「狩人ですか」
「冒険者と呼ばれています」
そうした者達はというのだ。
「そうし方々もおられます」
「そうですか」
「はい、そしてです」
神父はさらに話した。
「モンスターは時折道具を持っていますので」
「道具といいますと」
「武器や防具、薬草等のものをです」
そうしたものをというのだ。
「持っていまして」
「じゃあモンスターを倒せば」
「お金が手に入り道具も時折ですが手に入ります」
「それで生業にもですか」
「なります」
「俺達の世界のゲームみたいですね」
「ゲームといいますと」
神父はこの言葉に反応を見せた。
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