アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
白銀の魔導師
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」
なおも暁人に杖を向けるなのは。再び魔力弾が展開され、一斉に暁人に向かうが、届くものは一つとして存在しない。
「……ハボクック、因みにどっちだ?」
〈It's almost front.Display position information in view.〉
位置関係としては暁人とスノウスフィアのほぼ一直線上になのはがいる。つまり……
「面倒だな……纏めて吹き飛ばすか。」
こういう選択肢が取れる。
同時になのはが気付く。戦闘の規模に比べ空間中に漂う魔力が極めて薄い事に。正確には薄い訳ではない。『全て暁人の魔力として、空間中に銀色の光として漂っている。』
暁人はアースラ艦内に侵入した際、一つの魔法を発動させている。
《ダイアモンドダスト》
この魔法は決して自信家ではない暁人自身が『最強の汎用魔法』であると自負する多目的魔法だ。
原理は単純、魔力を極微小のスフィアに変えて空間中にばら蒔く。この極小スフィアには探知、妨害、凍結の三機能が備わっており、スフィアが触れたものを暁人に伝え、散布されてる空間における暁人以外のあらゆる魔力現象を阻害し、触れたものを極僅かではあるが凍結させる。
つまり、散布した空間を問答無用で暁人のホームグラウンドへと変える、反則的な魔法なのだ。
当然室内であれば効率は上がり、さらに空間中の魔力を随時集束してスフィアに変換するため魔力消費を抑えると同時に相手に空間魔力を使わせない。
最後に
「『イタクァ・ルリム・シャイコース、悠久なる銀嶺、白き怒濤の奥にて眠れ』………《アヴァランチブレイカー》!」
〈《Avalanche Breaker》〉
ハボクックからカートリッジが弾け飛ぶ。一つ、二つ、三つ。さらに、空間中に漂っていた極小スフィア達が一斉にハボクックの先端に集束する。
ダイアモンドダストが備える最後の機能、散布したスフィアをいつでも呼び戻し、魔力として利用出来る。
つまり、異常に短いチャージ時間であらゆる魔法が放てる。
砲撃魔法で最大のチャージ時間を誇る集束砲を僅か5秒弱で発射できる事こそが、まさにその最たる例だろう。
万象を押し潰し、静謐で寂寥たる死へと導く白き崩壊の名を冠する砲撃が、動くことも防ぐこともままならないなのはを呑み込んだ。
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