アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
白銀の魔導師
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二種類、もう一つは防御力は無に等しいソニックフォーム。速度があってもこの場所じゃ十全には活かせないから俺の追撃は躱わせない。最後に、お前を援護できる唯一の味方は、今お前を盾にしてるから撃てない。………結論、お前は詰みだ。」
フェイトの顔に驚愕が貼り付く。思考を的確に予測する暁人の推理力に、自分の情報がばれている事実に、何より、たった一合打ち合っただけでこの状況を作り出してみせた暁人の戦術能力に。
「と、いう訳だ。凍ってろ。」
〈《Ice Cage》・《Freezing Chain》〉
氷の鎖ががんじがらめにフェイトを拘束し、氷の檻がその上からフェイトを閉ざす。
「……さて、次だ。」
「フェイトちゃん……」
「心配しなくても、氷はいずれ溶ける。」
多重バインドは属性変換も絡めてあり、少なくともあと十分は外せないだろう。暁人はフェイトの存在を完全に意識から追い出し、なのはに向かい合う。
「お前はどうする?退くか否か、二秒で決めろ。」
「……ううん、渡せないよ。退くのはそっちの方。」
一触即発、そんな空気が漂っていた。
「……艦内カメラ映像回復!映します!」
アースラの艦橋、戦闘の影響でカメラがダウンし、また通信もジャミングされていた為に状況が一切分かっていなかった。今、カメラを漸く復旧させ、暁人が通った後が、モニターに映されていた。
「これは……」
「手練れやって聞いてたけど……予想以上やね。」
モニターに映る銀色の光の粒。それがアースラの廊下を埋め尽くさん勢いで広がる。その向こうにうっすら見える廊下は、まるで侵入されたとは思えない程に静かだ。
だが、その床には武装隊の隊員が倒されており、確かに戦闘があったことを伝えている。
「侵入者はどこだ?」
クロノの問いにモニターが切り替わり、なのはと暁人が向かい合うその場所を映し出す。
「なのはだけか?フェイトはどうした!?」
「あ、画面の隅におるで!」
カメラの範囲ギリギリに氷漬けにされたフェイトが映っている。
「まさか……まだ向かって五分程しか経ってないぞ!」
「……こうなったら私が、」
「……いや、ダメだ。はやてが艦内で戦ったら本当にアースラが墜ちる。」
「じゃあ、どうするんや!」
「……なのはでも勝てない時は、僕が出る。」
クロノが呟くと同時に、画面の中で再び戦闘が始まった。
「《アイシクルハープーン》。」
氷で創られた無数の銛が弾丸の如き速さで放たれる。数十にもおよぶ銛はしかし、展開された魔力の壁を突破することが出来ない。
「《ディバイン…」
なのはの
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