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銀河英雄伝説〜美しい夢〜
第二十三話 元帥杖授与式
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そんな事は無いと言っても信用しないんだからな。××伯爵家の××ちゃんが言っていたとか、○○子爵家の○○ちゃんも言っていたとか、エリザベートは泣きそうな顔で言い募る。女ってのはどうしてそんな阿呆な話を信じるんだ? 頭が痛いよ、俺の方が泣きたくなった……。

あのクソ爺、余計な事を言いやがる。おかげでブラウンシュバイク公爵邸はマグニチュード九クラスの大地震だ。俺は公爵邸を出て何処かへ緊急避難したくなったよ。爺の前世はナマズだな、大ナマズだ。これからはナマズジジイと呼んでやる。諸悪の根源よりはましだろう。

おまけに俺が宇宙艦隊司令長官になると知った馬鹿貴族共が正規艦隊司令官になりたいと騒ぎだしやがった。ここ最近勝ち戦が続いているからな、戦争なんて簡単に勝てると勘違いしたらしい。何処まで馬鹿で阿呆なのか……、ドーソン以下だな。

お前らみたいな阿呆で無責任な屑どもに艦隊司令官なんぞ出来るわけないだろうが! 一兵卒にして最前線で弾よけになら使ってやる。おまえらなんかダース単位、いや師団単位で戦死したって痛くも痒くもない、なんなら俺の手で磨り潰してやる。

“こんなはずじゃなかったー”とかお前らが泣き叫んでいる姿を見て大笑いしてやるぜ。録画して平民達に売り出してやる、飛ぶように売れるだろう。記録的な大ヒット商品だ。平民達の不満も大分収まるだろうな、俺の鬱憤も半分くらいは晴れるに違いない、ざまあみろだ、ケケケ。

あー、ウンザリだ。元帥杖の授与式が終わったら宮中主催の祝勝会、それからブラウンシュバイク公爵邸での祝勝会兼婚約発表会。それが終わったら宇宙艦隊司令長官の就任式……。どれも主役は俺だからな、訓練とか仕事が忙しいとか言って抜け出す事も出来ん。地獄だ……、生まれ変わったら養子にだけはならん、絶対にだ。

それにしても気が重いよ、元帥になったからマントとサッシュを付ける事になったんだけど白のマントって何だよ一体。爺様達はグレーのマントを身に付けている、そんなところに若造の俺が白なんて付けて行けるか! 大体白はラインハルトの色だろう、俺は黒が良いんだ、黒が!

おまけにこのサッシュの色……、ピンクだぜ、見る度に溜息が出る……。まあ変なピンクじゃなくて上品な朱鷺色って言うのかな、そういう落ち着いた色なのが救いだけどこんなの恥ずかしくて付けられないよ。

大公夫人もエリザベートも俺の希望は無視だ。黒は縁起が悪いだの、皆から怖がられるだとか言って白のマントと朱鷺色のサッシュにしてしまった。養子って本当に立場が弱いよな、涙が出てくる。俺が正装するとカワイイとか言い出す始末だ。可愛くて悪かったな! 俺は母親似で女顔なんだ、気にしてるんだぞ、これでも。宇宙艦隊司令長官がカワイイとか一体何の冗談だ!

落ち着け、とりあえず一週間だ。一週間この白の
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