第二十三話 元帥杖授与式
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大公夫妻、エリザベート、シュトライト、アンスバッハ、フェルナー……、皆お祭り騒ぎで沸き立っている。婚約発表って一体何なんだよ。俺は全然納得できんぞ。
一応理由としては俺の立場を強化するためらしい。リヒテンラーデ侯達の話ではフェザーンの狙いは俺ではないかという事だった。帝国を混乱させるためには俺は邪魔か、まあ有り得ない話ではないな。そこでエリザベートとの婚約を発表する事で俺の立場を強化する……。なんでそうなる、他に方法は無いのか? 考え付かないのか?
そりゃ何時かはエリザベートと結婚するのは分かっているし納得もしている。エリザベートはそんな性格の悪い女の子じゃないからな。ごく普通の女の子で悪くないと思っているよ、どちらかと言えば好感を持っている。今のところ彼女に対して不満はない。
俺はラインハルトとは違うんだ。結婚相手にヒルダみたいな切れる女を期待しているわけじゃない、ごく普通の女の子で良いんだ、って言うかヒルダの場合はあれはどう見ても恋愛音痴で情緒なんて欠片も無いタイプだろう。政略方面にだけ能力が偏っている。あんなのに二十四時間側にいられたら気の休まる暇がない、過労死だ。
……そうか、ラインハルトの死因だがもしかするとそれかな……、皇帝病って言っているけどその真の原因はヒルダが傍に居る事による肉体的、精神的過労。戦争に行きたがったのもヒルダの傍から離れるため……。うーん、新しい仮説だな、誰にも話せないのが残念だ。皆で盛り上がれたのに……。
まあヒルダは車で言えば普通乗用車じゃなくてフォーミュラカーとかワールドラリーカーみたいなもんだからな。だから乗り手も普通乗用車じゃ満足できない特殊な人間になる。車を見れば女のタイプも分かるかもしれない、どっちも乗り物だし金がかかるのも似ている……。気に入らなければ乗り換えるのもだ。
普通で結構、考えてみれば公爵家の令嬢で普通ってのは結構希少かもしれない。でもな、だからって十五歳の女の子と婚約なんかしたいと思うか? 新公爵はロリコンだ、戦争に勝った御褒美に十五歳の少女と婚約した、皆がそう言うだろう。これからの俺は“あのロリコン公爵、ロリコン元帥”と呼ばれ、その度に笑われるに違いない。
婚約の本当の理由は分かっているんだ、エリザベートの焼き餅だって事はな。俺がアンネローゼを密かに想っている、アンネローゼも俺に好意を持っている、そう勘繰っているらしい。何考えてるんだよ、何処の世界に皇帝の寵姫に懸想する阿呆がいる。禁断の恋とかそんな事が有るわけないだろう。
だが貴族の令嬢達の間では俺とアンネローゼは密かに想い合う仲なんだそうだ。ベーネミュンデ侯爵夫人に俺がアンネローゼの事をべた褒めしたと広まっているらしい。震源地はリヒテンラーデ侯だな、あの場に居たのは爺と俺だけだ。
俺がいくら
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