第三十八話 リュエージュ防衛戦・後編
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翌日、航空戦力を失った反乱軍は、全ての軍勢を投入してきた。
駆け足で城壁まで迫る敵兵達は、最早戦術も糞もなく何が何でも城壁にたどり着こうという、反乱軍司令官の思考放棄にすら見えた。
そして、それを虎視眈々に待つマクシミリアン軍。そんな彼ら戦闘前カップ一杯のワインとドーナツが支給された。
戦闘前だが少量のアルコールを摂取して、緊張を和らげる事が狙いだった。ドーナツは小麦で作った白パンを油で揚げ砂糖をまぶした簡単なものだ。
兵士達の中には貧農出身の者も多く、祭りの時ぐらいしか甘いものが食べられない者も居た。その為、大変好評で士気も大いに高まった。
いよいよ近づく反乱軍にマクシミリアン軍の戦意は上々だ。
「いいか、敵は絶え間なく突撃してくる。射程内に入り次第発砲せよ」
「了解!」
下士官の命令に兵たちは応えたが、一部の兵士達は少し緊張していた。アルコールの力を持ってしても緊張とは無縁ではいられない様だった。
「そろそろだ。射撃用意っ」
……ゴクリ。と誰かが喉を鳴らした。
土煙上げ駆け足でさらに近づく反乱軍。
「よし! 撃てーっ!」
パパパパパン!
ミニエー銃が一斉に火を噴いた。
「うわっ」
「ぐうっ」
バタバタと倒れる敵兵達、しかし後ろから次々と別の兵士が迫ってきた。
「撃て撃て!」
……倒しても倒しても、次々を現れる敵兵。
何度も言ったが、ミニエー銃は前装銃の為に連発は出来ない。
そこで、マクシミリアンが、三段撃ちの戦法をグリアルモンドに提案した。
リュエージュ城壁では、ミニエー銃を持った兵士が列をなしており、城壁や銃眼から発砲した兵士は最後尾に移動すると、後ろに控えていた第二列の兵士が前に出て発砲。第三列、第四列と、最終的に第六列まで戦列を作って攻撃させた。
ライムラグの少ない射撃が、次々と火を噴き、敵兵が倒れていった。
反乱軍も負けじと、倒しても倒しても次々兵士がと現れ、城壁との間隔は徐々に狭まってきた。
「メイジ隊、準備!」
グリアルモントの命令で、メイジたちが銃兵の後ろに控えた。
「メイジ隊、『ファイヤー・ボール』詠唱始め!」
メイジ達が一斉に『ファイヤー・ボール』の詠唱を始めた。
「次の銃兵の発砲後、敵最前列に対し『ファイヤー・ボール』一斉射!」
パパパンッ!
と銃兵が発砲を終え、控えていたメイジ達が前に出た。
「よし、『ファイヤー・ボール』放て!」
『ファイヤー・ボール!』
放たれた魔法は駆け足で迫る敵兵に次々と直撃、多くの兵士が火達磨になった。
「我らもゴーレムを!」
これに対抗して反乱軍側も5体の巨大ゴーレム
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