第三十八話 リュエージュ防衛戦・後編
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という場違いな工芸品で、.55口径のモンスターライフルだ。
セバスチャンはあの対戦車ライフルで敵の航空戦力を狙撃するつもりのようだった。
……
リュエージュ上空で、本日最初の戦闘が開始された。
囮役の軽竜騎兵が、一撃離脱戦法を慣行すると、反乱軍は軽竜騎兵に釣られる形になり軽竜騎兵を追撃した。
「竜を任されているのに、早々に逃げ出すとは見下げ果てた奴らだ」
敵竜騎兵が逃げ出した軽竜騎兵達を嗤った。
空軍の花形である竜騎兵は、誰もがプライドが高く、指揮官の命令も平気で破る事も多々あった。
マクシミリアンの編成した軽竜騎兵は、屈強さや魔法のレベルで選ばれたわけではなく、第一にいかなる命令にも服従する絶対的な忠誠心が必要とされた。
軽竜騎兵は、リュエージュ上空に上げられた閉塞気球を避けながらある空域へ誘導する。
敵航空戦力は、高い錬度を誇っていて閉塞気球を難なく避けて軽竜騎兵を追った。
そんな時、敵の火竜騎兵が一つの閉塞気球を避けると、探知の施された閉塞気球が大爆発を起こした。
「うおおお!」
「なんだ!」
爆風に巻き込まれた敵航空戦力はの一部は、リュエージュ市の塔や建物に激突し市内に被害が出てしまった。
「ちょ……」
「火薬が多すぎましたな。後でラザール殿に報告しないと」
絶句するマクシミリアンの側で、グリアルモントは紙にレポートを書いた。
「被害が出たぞ、どうするんだこれ!」
「市内に被害が出たのは遺憾です」
「遺憾って……」
「お言葉ですが、一切被害を出さずに戦争に勝つなど不可能にございます」
「言ってる事は分かるが、僕達の過失で市内に被害を出しては信用に関わるだろうに」
「殿下、間もなく敵が我らの用意した罠に飛び込みますぞ」
(コイツ……)
話を逸らしたグリアルモントに、内心舌打ちを打ったマクシミリアンは、視線を敵が飛び込んだ東門に向けた。
「グリアルモント、お前の言う秘策って何なんだ?」
「逆にお聞きしますが、殿下は東門に何がおありか覚えておいででしょうか?」
「東門というと……ああ、300リーブル砲か」
グリアルモントは頷くと、マクシミリアンと同じように東門に目をやった。
……
東門の城壁は、他の城壁より厚く作りがしっかりしている。
その理由は300リーブル砲の巨砲の衝撃に耐えられるように設計されているからだ。
その300リーブル砲の周りでは、すぐにでも発砲できるように砲兵達が物陰に隠れていた。
「敵、間もなく予定空域に到着します」
「仰角も全て計算どおりです」
「打ち合わせじゃ、味方の竜騎兵が急上昇した
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