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水の国の王は転生者
第三十八話 リュエージュ防衛戦・後編
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日後の事だった。

 反乱軍は初戦の攻勢で多くの逃亡兵を出したが、未だに規模は大きく、マクシミリアン軍に最後の戦いを挑んできた形になった。

 反乱軍が動いたと聞いたマクシミリアンは、すぐさま司令部に顔を出すとグリアルモントが参謀らと協議を行っていた。

「敵の状況は?」

「反乱軍は西門方向に回り込み、大攻勢の様相を呈しています」

「大攻勢? 具体的には?」

「軽竜騎兵で偵察した所、反乱軍は航空兵力を全てを投入して、文字通りの大攻勢をかけてきました」

「敵は全兵力を投入したのか」

「御意。さらに敵は周辺の商人と接触して、竜や幻獣に食わせる食料の買い付けを行ったと、クーペ殿のスパイ網から報告が上がりました。その為、敵竜騎兵の士気は旺盛で、さらに精鋭を投入すると予想されます」

「詳細は分かった。それで我が軍の対策は?」

 マクシミリアンの問いにグリアルモントが答えた。

「敵の飛行を邪魔する為に、ラザール殿の協力を得て閉塞気球なるものを急遽作らせました」

 閉塞気球とは、航空機の針路を邪魔する為のアドバルーンの様なものだ。

「だが飛行の邪魔をするだけだろ?」

「ご安心下さい、閉塞気球を巧みに配置し、一部の閉塞気球に探知(ディテクトマジック)を施し敵が近づいたら爆発する実験兵器もございます。私に良い策がございますし、そして何より、我が軍の竜騎兵隊の士気は旺盛でございます」

「負ける要素は無いという事か」

「敵は侮ることは厳禁ですが、我が方の負ける要素はございません」

「結構……これが最後の戦いになるだろう。この戦いが我々の勝利に終われば新しい時代が来る。その為にも皆の奮闘努力を期待する」

『御意!』

 ……

 反乱軍は、情報どおり航空戦力で攻勢を仕掛けてきた。
 風竜や火竜にグリフォン、レアな物だとワイアームといった幻獣に乗って攻勢を仕掛けてきた貴族達。
 見た目は、いかにも大攻勢な雰囲気だったが、高スピードの風竜の隣に鈍重なバジリクスが平行して飛んでいるの見てマクシミリアンは、

「あれでは烏合の衆だ」

 と呟いた。

「その様ですね……直ちに迎撃を」

 グリアルモントは、相槌を打ち部下達に迎撃の命令を出した。

 対するマクシミリアン軍は、数では反乱軍に劣るものの、火竜と風竜を分けて編成し、風竜を駆る軽竜騎兵で撹乱し火竜や各幻獣を駆るメイジと地上の部隊とで攻撃する戦法を取った。

「あれは……」

 マクシミリアンが見た先には、先日と同じ塔に執事のセバスチャンが居た。彼が手に持っている銃は先日塔に配置していた対戦車ライフルだった。。
 マクシミリアンは知らなかったが、セバスチャンの得物は『ボーイズ対戦車ライフル』
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