暁 〜小説投稿サイト〜
マクロスフロンティア【YATAGARASU of the learning wing】
試練
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
。」

「余計な事ってどういう……?」

フィーナも会話に加わる。そうだな、ちょっとクイズでも出すか。

「フィーナ、才能がある、自信がある、そんな奴が場所を与えられない。加えてそいつは反骨精神の塊だ。さて、そいつはどうすると思う?」

「えっと……実力を認めてもらおうとする?」

「そうだな。で、それを認めさせるには実戦が一番な訳だ。そして格納庫には予備機としていつでも出撃可能なVF-25Aが常時置いてある……ここまで言えば分かるな?」

フィーナが俺の言わんとする所を理解したのか難しい顔で頷く。そう、一番怖いのは反発して予備機か何かで勝手に出撃される事だ。

戦場において無能な味方、邪魔な味方は強力な敵より忌々しい。敵なら墜とすだけだが、味方はそうもいかないからだ。

アルトが勝手に出撃して墜ちそうになり、それを庇って誰かが死ぬ……一番避けたいパターンがそれだ。

ならば、多少未熟でも正式に役割を振ってやった方が落ち着くだろう、というのが試験官だった俺と、オズマ少佐や姐さんといった隊長陣の共通意見だ。

視界の端にはアルトに忠告をしに行ってミシェルにからかわれ、結果、いつも通りの夫婦漫才を繰り広げる幼女化、もといマイクローン化したクランの姿が見える。

「……時にフィーナ。」

「はい!翼さ……ん……?」

俺の顔を見たフィーナが瞬時に顔を強張らせる。

「ん?どうしたフィーナ。凄い汗だが。」

「い、いえ!?これは……」

「………」

「………………あの、翼さん?」

「何だ?」

「…………何でそんなにキレイに青筋が浮いてるんですか?」

「心当たりは無いか?」

「…………………」

「今日の模擬戦、あっさりアルトの野郎にやられてたよな?」

「……そ、それは……そのぉ……」

「………………(ジロリ)」

「うう………は、はい……」

「……………罰走。明日Exギアの動力切って格納庫二十周、三十分以内だ。いいな?」

「………え、それ、どう考えても無理……」

「い、い、な?」

「は、ハイ!?フィーナ・コルネイユ少尉、了解しました!!」

翌日、フィーナはどうにか、格納庫二十周をやり遂げた。タイム28分47秒はS.M.S新記録として、その後一週間程話題となった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ