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マクロスフロンティア【YATAGARASU of the learning wing】
試練
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「レイヴン2よりデルタ1へ。ポイントP-21を通過、これより演習宙域に入る。」

『デルタ1了解。到着次第、演習を開始してください。』

ファイター形態のVF-25/adが二機、デブリ帯を抜けて虚空を駆ける。方や漆黒、方や紫紺、二機の垂直尾翼には鴉のエンブレムが描かれている。

「クレイの奴がいればずっと楽なんだが……」

『仕方ありませんよ、クレイさんの機体は負荷が大きいんですから。』

「そうは言ってもなぁ……」

今日はアルトの奴の最終入隊試験を兼ねた模擬戦闘の日だ。スカル小隊には対戦相手はピクシー小隊だと伝えてある。急な変化に対応するのも実戦では重要なスキルだ。

しかし、クレイの機体がオーバーホール中なので、俺とフィーナの二人だけ。対するあいつらはアルト、ミシェル、ルカの三人。賭けのレートは7:3で向こうが有利だった。

「そろそろ、か。ルカのレーダーに捕まる前にバラけるぞ。」

『了解!』

「……作戦は覚えてるよな?」

『バッチシです!』

「だと、いいけどな。」

作戦は簡単だ。俺がストライクパックの本領である突進力を活かして撹乱、アルトとミシェル達を分断する。アルトにはフィーナが当たり、俺はミシェルとルカを相手にする。一見すると二対一だが後衛タイプの二人だ。正面からぶつかれば勝てない相手じゃない。

だが、フィーナはかなりドジな所がある。上手くいけばいいのだが。……考え過ぎか?

「じゃ、行く……避けろ!」

『へ?キャア!?』

青い閃光が疾り、咄嗟に機体を捻ったその翼端を掠めるようにして過ぎていく。ミシェルの狙撃だ。

『っ、どうして!?』

「ルカのゴーストだ!姐さん……知ってて黙ってたな。」

何て事はない。俺達も試されていたという事だ。

無人戦闘機ゴースト。ルカの乗るイージスパック装備のRVF-25にはその管制ユニットが組み込まれており、三機のゴーストX-9をコントロールしている。

因みにそれぞれにシモン、ヨハネ、ペドロと愛称が付いているのだが正直見分けがつかない。

先程、一瞬だが視界の隅に捉えた。

「チッ……レイヴン4、突っ込むぞ!こうなったら乱戦にして隙を見て分断する!」

幸い、ミシェルの狙撃は俺に集中しており、フィーナが突撃するには問題ないだろう。

「行くぞ……逃げんなよ!」

フルスロットルで前進。狙撃弾を紙一重で躱しつつ、ミサイルの射程に入る。

「ぶちかませ!」

『行っけぇぇぇ!!』

全弾発射(フルバースト)。どうせ一発も当たらないだろうが、隙が作れればそれでいい。乱戦に持ち込めばこっちのものだ。

「フィーナ!」

『はい!早乙女さん、付き合ってもらいます!』

……誤
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