第二話 世界の仕組みその十五
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「後の四分の三が他の地域におるけど」
「おるけど、か」
「総人口の六割は西日本と東海におるわ」
「何や、大抵かいな」
「北陸、東北は少ない」
そういった地域はというのだ。
「特に東北はな」
「関東はそこそこやな」
「おるで、ただ関東も産業はまだまだや」
「国力もか」
「そやねん、そしてその国力をさらに上げていってる」
「内政に力入れてか」
「そっちメインでやってる、そのせいで国は豊かになってや」
芥川は中里にさらに話した。
「軍隊もよおなってるで」
「強い軍隊は豊かな国が作る、か」
「武装をよくしてな」
「そういうことやねんな」
「馬とか船とかも揃えてるし」
「さっき話に出た空飛ぶ船もやな」
「建造中や、ただ量産まではいかん」
そこまでは至っていないというのだ。
「それはこれからや、あと武器や具足は陰陽道や法術も入れて」
「科学もやろ」
「それでよおしてる、鉄砲もかなりある」
「そうして考えると僕等強いんか」
「ここでは第一勢力や」
日本では、というのだ。
「四千万の人口があってな」
「統一に一番近い勢力なんは事実か」
「実際な、それでや」
「まずは出雲か」
「そこまで目指してる、じゃあ食べ終わったし」
遂に最後の膳まで食べた、茶菓子達を。その中にはチーズに似たものもあり中里はその食べものがえらく気になった。
「都に戻るか」
「神具に乗ってか」
「そうしよな」
「ほな今から」
綾乃も落ち着いた顔で言ってきた。
「戻ろか」
「三人で一緒に」
「そうしよな、他の皆も紹介するで」
「そっちも頼むわ、後な」
「後?どないしたん?」
「いや、今食べたチーズみたいな白くて四角いのは」
中里は綾乃にその気になった茶菓子の中にあった食べもののことを聞いた。
「何やったんや」
「それ蘇やで」
「蘇?」
「昔の日本の乳製品や」
それだとだ、綾乃は中里に話した。
「そういうのもあってん」
「へえ、そうやってんな」
「あと酪とか醍醐もあるで」
「それも乳製品か」
「牛乳から作ってるねん」
「そういえば牧場もあるって言うてたな」
「皆牛乳も飲んでるで」
それ自体もというのだ。
「それも美味しく」
「そこは僕等の日本とちゃうな」
「当時そんなん食べてるの僅かな人達だけやったし」
宮廷等でだけだった、江戸時代では十一代将軍である徳川家斉が好んで食べていたという記述がある。
「そこはちゃうねん」
「そういうところがちゃうねんな」
「そやねん、牛肉も食べるし」
肉もというのだ。
「すき焼きとかステーキも」
「ステーキは何かちゃうな」
日本とはとだ、中里はその料理には微妙な顔になった。
「室町の日本にはないわ」
「そやから何か
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