第四十八話 進路を決めてその十四
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「決めたの」
「優子さんの性格も」
「そうしたって言ってるわ」
「そうですか、それで相手の人も決めたんですね」
「そうしたのよ」
「お互いをですか」
「そう、見てね」
そうしてというのだ。
「決めたから」
「それが結婚ですか」
「そう、何しろずっと一緒にいることになってね」
優子は女として龍馬にこうも話した。
「その人の赤ちゃんも産んだりしてその子を育てるのよ」
「だからですか」
「お互いをよく見て決めないとね」
「駄目ってことですね」
「それが結婚よ、ただ結婚して子供が出来ても」
それでもだ、優子はこうしたケースも話した。
「離婚したりもするわね」
「結構ありますよね」
「ないに越したことはないけれど」
「そうしたこともですか」
「私も彼もしたくないから」
そうした考えだからというのだ。
「最初からお互いをよく見てね」
「そのうえで決められたんですか」
「そうなの」
「何か結婚って難しいですね」
「ええ、難しいわよ」
その通りという返事だった。
「何十年も一緒にいられるにはね」
「何十年ですね」
「一口に言っても長いでしょ」
「そうですね」
龍馬は優子の言葉を受けて自分の年齢から考えた、まだ十八歳だ。その年齢から考えて優子に答えた。
「俺まだ十八ですけれど」
「私の今の年齢より長く一緒にいるのよ」
「優子さんよりも」
「もう少ししたら三十だけれど」
自分の年齢もだ、優子は言えた。
「二十八ね」
「二十八年以上もですか」
「一緒にいると思うと」
「難しいですね」
「わかるわね」
「はい」
龍馬も答えた、だが実際の歳月については想像出来なかった。
「相当ですよね」
「そうでしょ、離婚の話も聞いてきたし」
「余計にですか」
「気をつけてるわ」
「そうですか」
「離婚したら色々と面倒なのよ」
社会的なこともだ、優子は話した。
「その時かなり揉めることが多いし離婚してからもね」
「バツ一とかですね」
「ついて回るから」
「何かとですか」
「面倒なのよ」
このことは見てきたので言えることだ、社会人として。
「だからね」
「離婚は、ですね」
「出来るだけしたくないわ」
「だからですか」
「結婚する前に見極める様にしてきたの」
「優子さんもお相手の人も」
「お互いにね、そのうえで決めたの」
その結婚をというのだ。
「そうしたのよ」
「結婚はその前から大変なんですね」
「幸せに過ごしたいならね、そしてこれはある人に言われたけれど」
「ある人?」
「職場の人よ」
勤務先の病院でというのだ。
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