暁 〜小説投稿サイト〜
『ある転生者の奮闘記』
TURN40
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話

 南雲はそう全艦に指示を出した。雪風が負傷した報告を聞いた乗組員達は憤怒して怒り狂いながらラムダスを焼きつくしていく。

 一万にも及んだラムダスが全て駆除されたのはそれから八時間後の事であった。




「狹霧が左手切断の重傷だと?」

「は、南雲長官代理の報告ですと、無人ステルス偵察機がシベリア星域を偵察したところ、この約一万の芋虫がシベリア星域のソビエト艦隊を攻撃していたらしく、狹霧長官が独断専行という形でシベリア星域に急行して参戦、負傷したようです」

「……この芋虫は何だ?」

「それが全く分かりません。現在、シベリア星域は高須、小澤艦隊が侵攻してソビエト艦隊も一旦は此方の指示に従っています」

「……直ぐに御前会議を開くよう帝ちゃんに具申しよう。それと平賀夫妻に狹霧の義手を用意するように伝えてくれ」

「……実は平賀夫妻は今、別居状態のようでして……」

「……はぁ?」

 秋山参謀長の言葉に東郷長官も唖然とした。




「雪風ぇ〜〜〜」

「……目覚めから何でお前の泣き顔を見なあかんねん」

 俺は溜め息を吐いた。今いるのはシベリア星域の惑星ウラジオストクの軍病院や。

 俺が目を覚ましたのはつい二十分も前やな。そんで起きたら茂がおって泣いていた。訳を聞いたら……。

「津波にラムダスの事がバレた」

「……ホワット?」

 茂によれば、俺が密かに送ったラムダスの画像付き写メを津波が茂がいない時にたまたま見たらしい。

 そんで津波がスパナを持ちながら茂を脅して(聞けばスパナでアソコを殴るとか言われたとか……)ラムダスと俺達の前世とかバラしたらしい。

 前世の事を聞いた津波は「私に近づいたのは貧乳目当てだったのかロリコン男」と呟いて、既に津波の名前が書かれた離婚届の紙を渡されたらしい。

 茂はその時点で精神が錯乱して小澤艦隊に載せてもらいシベリア星域に来たらしい。

「津波にまでバレるとはなぁ……」

「……もう俺……ラムダスに喰われてしまいたい……」

 ……泣くのはええけど、シーツを濡らすな。

「まぁ前世の話を聞いて津波も混乱していただけでそんな事をしただけちゃうか?」

「津波の名前が書かれた離婚届を出してかい?」

「………」

 そういや津波に離婚届も持っといたら? と冗談で言った覚えはあるけどまさか本当に持っていたとはな……」

「お前が言ったのかッ!!」

「げ、声に出てたか」

「あんたって人はァァァーーーッ!!!」

 その後、圭子さん達が見舞いに来るまで俺は怒り狂う茂を宥めるのに苦労した。








[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ