ターン69 封印の神と『D』
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サイバー・ダーク・ドラゴンの上で、いつの間にか僕は眠っていたらしい。ふと気が付けば、夜の闇が頭上に広がっていた。焚火を中心に囲んで座るエド、ヘルカイザー、そのほかにも見慣れた、でもここで見るとは思わなかった顔がいくつかあった。
「おはよ、エド。ヘルカイザーも……それに翔にクロノス先生、おジャマ・イエローもいるの?あと、そっちの人は?」
再会を懐かしむ気持ちより見知らぬ人への警戒が表に出るあたり、僕もだいぶこの世界に染まってきたと思う。翔の顔を見た時は記憶にあった彼とはなんだかだいぶ違う様子になんとなく違和感があったけれど、少なくとも偽物とかそういう話ではなさそうだ。それに、そのことをいつまでも考える暇もない。そんな僕の声に反応して、この中で唯一の新顔が僕の方を見て会釈する。随分と意志の強そうな、でもどこか思いつめたような目をした女性だ。
「この人はエコー。アモン・ガラムの……まあ、知り合いとだけ言っておこう。この2人と一緒にいたところをたまたま見つけたんだ。それにしても、ようやく起きたのか?まったく、よくこんな状況で眠れたな。大胆というか無神経というか」
「剛毅と呼んでくれてもいいのよ?で、ここどこ?」
「さあな、俺らもこの世界の地理にはそこまで明るくない。ただ少なくとも、覇王城からはだいぶ離れたことは確かだな」
「まさか君も、この世界にいたなんてね」
「驚き桃の木ナノーネ」
「会えて嬉しいわよ、清明のダンナ〜」
僕がぐっすり眠っているうちに、サイバー・ダーク・ドラゴンはどこかに降り立っていたらしい。その指示を出していたはずの主のヘルカイザーでさえどこだかわからないというのもひどい話だけど、さしあたり追手などの問題はなさそうだ。
それにどれほど飛んでいたのかはわからないけれど、きちんとした固い地面に座るのは久しぶりな気がするからそれだけでありがたい。背伸びをして凝った筋肉をほぐし、近くの木陰に寝かされている十代の方を見る。
「さて、目が覚めたのなら君にもそろそろ話してもらおうか。聞いた話では、君は砂漠の異世界で行方不明になったはずだ。その君が、なぜ覇王と戦っていた?」
「ああ、そういえばそんな話だったっけね。えーっと、まず……」
この世界で目覚めてから出会った人や、起きたことの話。辺境の大賢者、バックアップ・ウォリアーのいた村、そして鬼神ケルトと狸爺のグラファ。色々なことがあったが、少し前にも三沢に話した内容だったおかげで思いのほかスムーズに話すことができた。それをすんなり信じてもらえたのも、三沢の時と同じだ。現に目の前で精霊が動き回っているのだから、今更信じるも信じないもない。
「なるほどな。待てよ、清明。その話が本当なら、今そのデュエルディスクは使い物にならないのか?」
「え?……あっ!
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