暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
食事と回想
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り,盛大にかぶりつく。大口を開けて食べるのは女の子としてどうだろう、と思わなくもないが、1ヶ月も男の振りをしてきたのだ、多少男混じりな行動をすることは致し方ないと割り切る。
それにリアルでも女の子として身だしなみや態度に気を遣ったことはあまりない。
ネットゲーマーなんてそんなものだと思う。
口いっぱいにクリームの甘みとほのかな酸味が広がる。
パンのパサパサ感もクリームのなめらかな舌触りで気にならない。味は田舎風ケーキといった感じだ。
キリトが美味しそうに食べているのを見て、アスカも恐る恐るクリーム載せパンを口にする。
お口には合ってくれたみたいで、先ほどのしかめっ面はどこへやら、ハイペースで食べ進めている。
キリトが食べ終わるとほぼ同時にアスカも食べ終わっていた。しかし、アスカは食べ終わった直後なぜか不機嫌そうな顔をする。
「ごちそうさま」と軽く手を合わせるキリト。それを見てアスカも手を合わせる。

「ご馳走様」
「どういたしまして」

そのままキリトは続ける。

「このクリームは、この町の手前の街で受けられる〈逆襲の雌牛〉ってクエストの報酬。時間掛かって面倒だから、やる人は少ないけどね・・・。気に入ったのならクエストのコツ教えようか?慣れてたら2時間も掛からないし」

一瞬、考えるような素振りを見せたアスカだったが、すぐにかぶりを振る

「いや、いい・・・・。別に美味しいものが食べたくてここまでやってきたわけじゃない・・・・」
「じゃあ・・・・なんのために?」

思わず少し身を乗り出すような勢いで訪ねてしまう。
それはキリトがずっとアスカに聞きたかったことであり,初めて迷宮区の奥で見かけたときから気になっていたのだ。
迷宮区で通りすがりに出会ったときは,キリトはアスカのことを自分と同じベータテスターだと思った。しかし、煌めくような速度で打ち出される正確無比な〈リニアー〉とは打って変わり、そのプレイヤーの戦術は危なげな物であった。危険を顧みない、といった方が良いだろう。
とてもデスゲームとなったこの世界で行えるような戦法ではなかった。
完成された剣技と危険きわまりない戦術のアンバランス。
その訳を知りたくて、ダンジョンの最奥にてキリトはアスカに声を掛けたのだ。

そして声を掛けてみたらやはりアスカは、キリトの予想していた通り、ベータテスターではないどころか、ネットゲーム初心者だった。
ダンジョン内の強敵をノーダメージで瞬殺すると思ったら、パーティー戦術の基本中の基本の〈スイッチ〉どころか、パーティーメンバーの名前がどこに書いてあるかすら分からない無知っぷり。
この世界における情報の重要度は時にプレイヤーのレベルやステータスを上回る。
いくら強くても、死ぬ可能性が高すぎる。さらにアスカ本人もその危
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