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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
食事と回想
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がおらず、中央広場の喧噪がわずかに聞こえるだけだ。こんな時間帯に外にいる人の方が少ない。普通は食事のために店に入っているか宿屋にいるだろう。
キリトとアスカも攻略の最前線で迷宮区の最奥に乗り込むようなプレイヤーであるので、武器やポーション類のアイテム消費によってそれなりのコルは使っているとはいえ、アスカは言わずもがな、キリトもかなり激しいレベリングを行っていて、かなりのコルを貯めている。
簡単に言えば,お店で高い料理を食べるくらいの余裕はあるということだ。
なにもこんなへんぴな場所で1コルパンを食べながら説明しなくてもいいのでは?と思っていたキリトにアスカが話しかける。

「フード、脱いだらどうだ?」
「え・・?」
「こんなところにまで来るプレイヤーはいないよ。あんたもずっと周りの目に気ぃ使いっぱなしだと疲れるだろ」

パンを囓りながらしゃべるアスカ。
つまり、こんなへんぴなところに来たのは自分のため、という事だろう。
冷たい態度とは裏腹に人への配慮を取るのは上手な男だなー・・。
キリトは内心、そう思いながらフードに手を掛けて取り払う。
広がる視界。電灯の明かりが辺りを控えめに照らしている。
コートに隠していた髪の毛を外に出す。
仮想世界だから服の中に髪の毛を入れていても、多少ごわっとするだけでそれ以外に不便な点はないし,髪の毛が痛む心配もない。
それでもやはり、これだけ長いと服の外に出した方が気持ちいいし,気が楽だ。
広がっている髪の毛を整える。
その作業をしている間、隣で無言のままパンを食べ続けるアスカ。
激安の1コルパンなだけあって、この黒パンは本物のフランスパンの数倍ぱさぱさしていて固い。アスカもさして美味しくなさそうに、しかめっ面をしながら食べている。
しかし、キリトは次のような言葉を口にした。

「美味しいよね、これ」

2人しかいないのだから、自分に話しかけられていることはすぐに分かるだろうに、アスカはこのしかめっ面のどこに美味しさを感じていると思う、という風な険呑な顔になる。

「本当に上手いと思ってるのか・・・?」

低くいが、透き通った声で聞き返してくる。やはりアスカは美味しいと思っていないようだ。

「もちろんね。・・・少し工夫はするけど」

話しながらキリトはアイテム欄からビンを1つ取り出し,そのまま2人の間に置く。

「パンに使ってみたら?」

最初、パンに使うという言葉の意味が分からないといった顔をしていたが、得心がいったようで、アスカは慣れていない手つきでビンをタップしてパンの上へと指先を持って行く。
変化はすぐに起こり、アスカのパンの上にどっさりとクリームが乗る。

「クリームか・・・・?」
「そう」

キリトもアスカ同様にクリーム載せパンを作
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